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一流の営業マンは、契約を取らない

もう10年近く前、私がコーチとして活動を始めた頃の話です。

当時、ビジネスなんてやったこともなく、プログラマーと
セミナースタッフの経験しかなかった私は、
さっそくクライアントがほとんどいない闇の時代に突入していました。
 

その中で、いろいろと私のことを気にかけてくれた
Tさんという方がいました。

Tさんはある生命保険会社のトップ営業マンで、
自分の年収で3000万円以上稼いているすごい人。

彼が、営業について教えてくれる塾を開いていて、
「中城くんもおいでよ」と言ってもらえたので、毎週通っていました。
 

この塾、優しいようで厳しく、ちょっと体育会系なところがあって、
「目標は必達!」みたいな空気がありました。

この厳しさは、ぬるま湯につかっていた私にとっては
とてもいい刺激になったわけですが、
その刺激のおかげで、尻を叩かれながらも頑張っていたんですね。
 

で、ある日、1件の契約をいただくことができたんです。

Tさんのおかげだ、ということで、報告の電話をしました。
「Tさん、おかげさまで、契約が取れました!」

するとTさんは、「おめでとう」と一言言った上で、
こんなことを私に告げたんです。
 

「中城くん、契約は取るものじゃなくて、お預かりするものだよ」
 

これは私、ガツンと頭を殴られたような感覚になりました。

そう、契約を「取る」って、めちゃくちゃ乱暴な言葉です。
お客さんから、「取って」しまうわけですからね。
お客さんも、営業マンから「取られる」のは、ちょっと嫌ですよね。

私の中で、根本的に考え方が間違っていたことに気づくことができた
短くて的確な、すごい指摘だったんですよね。
 

ちなみに、「お預かりする」というのは、たぶん会社の営業マンに
特有の言葉遣いかと思います。
「会社とお客さんの契約を、営業マンである自分が一時的にあずかる」
という意味で使っているのかと。

私は、自分とクライアントさんとの契約なので、
「預かる」だとおかしいと思い、この日以来
「ご契約いただく」という言葉を使っています。
 

どちらにしても、自分とお客さんの間において、
「相手のために」というマインドが根底にないと、
この言葉を使うことはできません。

言葉だけを真似していても、違うところに無意識に現れるからです。

だから、「契約は、自分の売上のためにお客から取るもの」ではなく、
「契約は、お客さんの幸せのために双方で結ぶもの」に
考え方そのものをシフトしなければいけないわけです。
 

今、私は経営者の方にコーチングすることも多いですが、
コーチや個人事業主の方に「指導する」ことも増えてきました。

その際、こういう細かい言葉遣いや振る舞いを気にするようにしています。

本人が無自覚で使っている言葉に、考え方が現れる。
それを、お客さんが無意識に感じ取り、違和感を覚える。
その違和感のせいで契約に至らないのでは、もったいないですから。
 

自分や社員の言葉を、よく観察しましょう。

「契約を獲る」なんて言ってしまうことがあったら、
言葉を改めるのはもちろん、
自分の考え方を見つめ直すいい機会かもしれません。
 

★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント

契約は「取る」のではなく、「いただく」「お預かりする」もの


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