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お客さまに覚えてもらえない営業マン

数日前、ある友人から相談を受けました。
「ウチの取引先に製薬メーカーがあって、そこの人と飲んでたんだけど、
 もっぱらの悩みが、『MRが医者に覚えてもらえていない』ことなんだ。
 他社のMRは名前で呼ばれるのに、そこのMRは会社名で呼ばれる。
 どうしてなんだろうね?」

MRというのは、平たくいうと「薬の営業」です。
病院の医師に薬の情報を提供して、自社の薬を使ってもらえるように
アピールするのが仕事、みたいなものです。
(厳密に言うと違いますが、似たようなものだと思ってもらえれば)

医者は、もちろん患者さんのために最善の薬を処方しますが、
似たような薬がいくつかあれば、その中から選ぶことになるわけです。

最近では国がジェネリック(後発薬)を推進していることもあって
その会社も他社の安価な薬と競争が激化し、大変なんだそうです。
 

さて、この会社のMR。
どうして医師に顔と名前を覚えてもらえないんでしょうか?

聞いた限り、けっこう大きな会社で、私も合併前の会社は
前職の関係で名前を聞いたことがありました。
武田薬品や第一三共ほどではありませんが、無名の会社ではありません。

つまり、会社が無名だから覚えてもらえないわけではない。
そもそも、会社名で呼ばれるわけで、会社自体は認知されているんですよね。

では、何が原因なのか。。。
 

これは、伝え聞いた情報からの推測に過ぎませんが、
友人が言っていた一言から、「コレだろうな」という答えがあります。

彼が言っていたのは、
「医師からの評価では、その会社のMRは、『礼儀正しい』とは言われる」
というものです。

「礼儀正しい」というのは、とてもいいことではありますが、
この「礼儀正しさ」こそが、名前を覚えてもらえない理由でしょう。
 

「礼儀正しい」というのは、言い換えると「粗相をしない」ということです。
相手に嫌われない。怒らせない。マイナスを与えない。
悪くいうと、「当り障りのないようにしている」ということとも解釈できます。

大きな病院の先生は、毎日たくさんの患者さんを診ています。
さらに、たくさんのMRと会いますから、
とても全員を詳細に覚えていられません。

なので、優先度の低いMRから忘れていくわけです。
または、印象に残らないMRから忘れていきます。

「当たり障りのない」MRは、印象に残りませんから、
優先度も下がり、忘れてしまいます。
その結果、個人の名前ではなく、会社名で呼ばれてしまう。
 

ですから、この会社のMRさんが取るべき戦略は、
「医師の印象に残るような言動を取る」
ということになりますね。
 

で、こういうと、「そうか、印象に残ればいいんだな」と
奇抜なことをしようとする人がいますが、それは意味がないというか、
悪い印象が残りますので、逆効果です。

そうではなく、プラスの印象を残すことです。
 

このとき、具体的な行動としてはいろいろあるでしょうが、
重要なのはフォーカス(意識の向けどころ)です。

「礼儀正しい」人は、「嫌われない」ことに意識が向いていますが、
それでは印象に残らないのは先程お伝えしたとおりです。

そうではなく、「喜ばれる」ことに意識を向けるのです。

これは、マニュアルでどうにかできるものではありません。
(嫌われないことは、ある程度マニュアル化できますね)
現場でMRが考え、観察し、経験しなければなりません。
 

医師の言動や様子、表情を注意深く観察し、情報を得る。
今どんなことに興味があるのか、何に困っているのか、
何を面倒だと思っているのか、何を大切にしているのか、
そういう情報を、短い会話から獲得しなければなりません。

そして、困っていることを解消する手助けをしたり、
興味のある情報を探して持っていったりすることで、
医師から「いい印象」を得ることができるわけです。

これを繰り返すと、心理学でいう「返報性」が働きますから、
医師から好意的な反応をもらえるようになってきます。

「あなたが勧めるなら、そっちの薬にしよう」と言わせることも
不可能ではなくなってくるわけです。

ていうか、友人曰く「製品力があまりない」会社らしいので、
残った方法はMRの人間力しかありません。
 

これはMRに限った話ではありません。
どこの営業マンでも、基本は同じです。
まずは、お客さまに喜ばれること、印象に残ることです。

嫌われないことと、喜ばれることは、天地の差があります。
意識をどちらに向けるかで、営業成績も大きな差が生まれてしまうんです。
 

★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント 

自分が嫌われないことより、相手が喜ぶことを意識しよう


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