私がコーチになりたての頃、ある営業マンの人から
面白い話を聞きました。
私が全然売れなくて、クライアントがいなくて、もがいていると、
「中城さん、原因の目標に集中するんだよ」
と言うのです。
何を言ってるんだ、この人は、と思ってその先を聞くと、
「みんな、結果の目標ばかりを追うから売れないんだよね。
原因の目標を見ないとダメなんだ」
・・・やはり、わけがわからない(笑)
そのまま黙って聞いていると、説明してくれました。
原因の目標とは、結果の目標が達成される原因となる行動のことです。
つまり、当時の私でいうと、
「コーチングの契約を5件いただく」というのは結果の目標です。
5件成約という結果が欲しいので、当然ですね。
で、この「契約が5件欲しい」と思って闇雲に動くのが売れない人です。
それに対して、
「5件の契約が欲しいので、15件の体験コーチングをする。
15件体験コーチングをするために、30人の人と1対1で話をする。
そのアポイントをもらうために、50人の人に連絡を取る」
と、目標までの行動を数字で表していき、
最後に「自分が行動しさえすれば達成できる」目標にまで落とし込む。
この「自分が行動しさえすれば達成できる」目標が、【原因の目標】です。
↑に書いた「体験コーチング15件」とか「30人の人と面談」とかも、
「5件の契約」の原因ではあるんですが、
どれも相手のあることなので、自分ではコントロールできません。
コントロールできないことに意識を向けていると、
どれだけ動いても結果に近づかないことがあるので、ストレスになります。
なので、その目標はあって構わないのですが、そこに意識を向けるのではなく、
あくまで「自分の行動」を目標にする。
そうすると、やればやるだけ目標に近づきます。
やる気を保つこともできるし、やるべき行動を着実にやれる。
それが積み重なると、「結果の目標」もいずれ達成されるということです。
私がコーチングで「目標達成」を扱うときは、
「結果の目標」と「原因の目標」の両方を確認することが多いです。
そして、結果を振り返るとき、「結果の目標」に関しては
達成できなかったとしてもあまり気にしません。
それは、本人の問題ではないこともあるからです。
ですが、「原因の目標」を達成していないときは、かなり詰めます。
どうして、「やればできること」をやらなかったのか。
これは本人の問題以外に問題がありません。
恐怖心の問題なのか、やる気が足りないのか、まだ本気じゃないのか、
言い訳をする癖があるのか、目標に対する自分の能力の認識が甘いのか、
徹底的に「達成のための行動を取らなかった」ことを分析します。
(もちろん、責めるわけではありませんよ。念のため)
もし、部下が目標を達成してこないと悩んでいる方がいたら、
その目標が「原因の目標」なのか「結果の目標」なのかを見直してみましょう。
結果の目標が達成されないのは、ある意味で仕方ない場合もありますし、
どんなに頑張っても届かない事はあります。
そこを責めても、何の解決にもなりません。
ですが、原因の結果を達成してこない場合は、本人の問題です。
本人が頑張っていない「何か」があるわけですから、
それを解決すれば、目標を達成できるわけです。
ここの見極めができると、部下の指導が効果的になるんです。
★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント
「原因の目標」を明確にしよう
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