この記事のポイント
- 多くの成功事例において、業績が向上する転換点には必ず「メンタルの変化」があります。
- 成果は「行動」から生まれますが、その行動の質と量を左右するのが「メンタル」です。知識があるのに動けないのは、メンタルがブレーキになっているからです。
- メンタルを変えるのに即効性が高い方法は、フィジオロジー(身体の状態)を意図的に変えること。「力の出るポーズ」を取るだけで、感情は瞬時に変わります。
- 「最高の瞬間を思い出す」「なりたい姿をコピーする」ことで、あなただけの「力の出るポーズ」を見つけ、いつでも最高のメンタル状態を作り出せます。
「マインドが大事」はただの精神論?
マーケティングの世界などでも、よく「マインドセットが大事だ」と言われますよね。しかし、そう言われると、「また精神論か…」「具体的なやり方を教えてくれよ」と、少しうんざりしてしまうことはありませんか?
何を隠そう、私自身もかつてはそう思っていました。私が「食えないコーチ」だったどん底の状態から抜け出せたのは、紛れもなく「適切な戦略」と「具体的な行動」のおかげでしたから、「メンタルよりやり方が大事だろ」とさえ考えていた時期もあります。
しかし、「メンタルに意味がない」というのも、また違うのです。18年以上この仕事をしてきて、今はっきりと断言できます。
現実は「メンタル」が変わると「売上」も変わる
というのも、これまで私がコーチングしてきたクライアントさんの中で、業績が劇的に向上したケースを振り返ると、その全ての転換点に、必ず「メンタルの変化」があったからです。
【導入事例】私がコンサルせずとも、業績がV字回復したクライアントたち
「いろいろなマーケティングを学んだけど、何も変わらない」
「コンサルに教わった通りにやっても、売上が伸びない」
「たくさんのノウハウを試してきたけど、成果が出ない」
このような方々が、私のコーチングで「メンタル」の問題を解決しただけで、次のような変化を起こしていきました。
- 売上高が2倍、利益は2.5倍になり、経営のピンチを脱出した
- 赤字経営から脱却し、年間1,000万円の利益を達成した
- 高額商品の成約率が劇的にアップし、月収300万円を突破した
驚くべきことに、これらのコーチングで、私は特に戦略的なコンサルティングはしていません。ただ、彼らのメンタルに深く関わっただけです。
なぜメンタルの変化が、結果を変えるのか?
私たちの成果は、すべからく「行動」から生まれます。ですから、「正しい行動」を取るための知識、つまり「ノウハウ」や「戦略」は、もちろん重要です。
しかし、その「行動」を生み出しているのは、一体何でしょうか?それは、あなたの「メンタル」です。知識というアクセルの踏み方を知っていても、メンタルというブレーキが強くかかっていたら、車は前に進みませんよね。
やるべきことは分かっているのに、無意識に避けてしまう。自社の商品に自信が持てず、強く勧められない。重要なことを、つい先延ばしにしてしまう…。これらはすべて、メンタルのブレーキが原因なのです。
【実践編】即効でメンタルを変える科学的アプローチ「フィジオロジー」
では、どうすればこのメンタルを変えることができるのか。様々なアプローチがありますが、今回はその中でも特に、自分でできて、即効性が高く、効果も大きいものをご紹介します。
それが、「フィジオロジーの変化」を利用する方法です。
フィジオロジーとは、少し難しい言葉ですが、ここではシンプルに「身体の使い方や状態」だと思ってください。私たちの心(メンタル)と身体(フィジオロジー)は、密接に連携しています。気分が落ち込むと、自然とうつむき、肩を落とし、呼吸が浅くなりますよね。逆に、意図的に胸を張り、顔を上げ、深い呼吸をするだけで、気分が少し前向きになるのを感じられるはずです。
この心身の繋がりを利用して、身体の側から、強制的にメンタルを望む状態に変えてしまおう、というのがこのアプローチです。
【私の体験談】他人のポーズを真似したら、感情までコピーできた話
以前、私がカナダのセミナーに参加したとき、こんなワークがありました。「あなたの人生で最高の瞬間を思い出して、その時の姿勢を再現してみてください」と。そして、ペアになった相手が、そのポーズをそっくり真似してみるのです。
私が隣の人のポーズを真似すると、内側から強い高揚感と自信が湧き上がってくるのを感じました。そして、ふと「大勢の人の前で、堂々と話している」というイメージが浮かんできたのです。それを相手に伝えると、彼は驚いてこう言いました。「まさに、私は大勢の前でスピーチをして、大成功したときのことを思い出してイメージしていたんだ!」と。
会ったばかりで、彼の職業も何も知らないのに、姿勢を真似しただけで、その時の感情だけでなく、場面のイメージまで共有できてしまった。この時、私は「フィジオロジー」の持つ力の大きさを、改めて実感したのです。
あなただけの「力の出るポーズ」を見つける2つの方法
あなたも、自分だけの「力の出るポーズ」を作り、いつでも最高のメンタル状態を呼び出せるようになってみませんか?作り方は簡単です。
方法①:最高の瞬間を思い出し、再現する
あなたが過去に、最も輝いていた瞬間、最高のパフォーマンスを発揮した瞬間を思い出してください。その時、何が見え、何が聞こえましたか?どんな姿勢で、どんな表情で、どんな呼吸をしていましたか?その瞬間をありありと思い出し、身体全体でその時のポーズを再現してみるのです。それが、あなたにとって最もパワフルな「力の出るポーズ」です。
方法②:憧れの人の姿を、丸ごとコピーする
「最高の瞬間なんて、思い浮かばない…」という方もいるでしょう。そんな場合は、あなたの目標とする人、憧れの人をコピーするのがお勧めです。実在の人物でも、映画や漫画のキャラクターでも構いません。「こんな風になりたい」と思う人の、自信に満ちた姿勢や動き、表情、呼吸の仕方を、鏡の前でそっくり真似してみるのです。他人のマネであっても、あなたの感情は確実にその影響を受けます。
まとめ:知識を足す前に、まず自分の状態を整えよう
ガッツポーズや、空手の「押忍」の構えのように、胸を張り、視線を上げ、深く呼吸する。こうした「力の出るポーズ」を、重要な仕事の前や、気分が落ち込んだ時に試してみてください。あなたのメンタルは瞬時に切り替わり、行動の質が大きく変わるはずです。
新しいノウハウを学ぶ(足す)ことも大切ですが、それ以上に、あなた自身のメンタルを整え、ブレーキを外す(引く)ことの方が、時には何倍も重要になるのです。
あなたの「メンタルブレーキ」を、一緒に見つけませんか?
今日の記事では、ご自身でできる即効性の高い方法をご紹介しました。しかし、メンタルを変えるアプローチは、他にも無数に存在します。そして、あなたを縛り付けている「ブレーキ」の本当の原因によっては、より専門的なアプローチが必要になることも少なくありません。
もし、あなたが「自分の力だけでは、どうしてもこのメンタルブレーキを外せない」と感じているなら、一度プロのコーチを頼ってみてください。あなたの状況を丁寧にお聴きし、最も効果的な解決策を一緒に見つけ出します。
この記事を書いた専門家
中城 卓哉(なかしろ たくや)
パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ
「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。
部下との関係構築や育成方法にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
初めてでも10分で1on1ミーティングができるツールを無料プレゼント!
- 「部下育成のために1on1がいいっていうけど、何を話せばいいの?」
- 「部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらないよ」
- 「1on1なんて、やっても時間の無駄なんじゃないの!?」
普段忙しい管理職の方には、こう思う方が多いのではないでしょうか?
- 会社で1on1をやれと言われたけど、部下と何を話していいかわからない
- 部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらない
- 流行りの1on1をやっているけど、いつも上司が一方的に話して終わってしまう
こんな問題を、1枚のシートで解決できます!