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【実録】自分のことだけを考えていた部下が、たった4ヶ月でリーダーに覚醒した話。上司がやった“4つの関わり方”とは?

この記事のポイント

  • 「リーダーになれ!」という上司の正論だけでは、部下は変わりません。むしろ、プレッシャーで萎縮させてしまう危険性があります。
  • 部下がリーダーシップを発揮できない根本原因は、能力不足ではなく、「自信のなさ」や「失敗への恐れ」であることがほとんどです。
  • 部下を変えるには、まず上司の関わり方を変える必要があります。鍵となるのは「承認」「信頼」「励まし」「安心」という4つの要素です。
  • 上司が「部下を成功させる」という覚悟を持って支援することで、部下は安心して挑戦し、自らリーダーへと成長していきます。

「能力は高いのに…」上司を悩ませる“リーダーになれない”部下

「将来のリーダーとして期待している部下がいるんです。でも、本人はその気がないのか、目の前の現場仕事ばかり。
もっと高い視座を持ってほしいんですが…」

 

これは、私が管理職コーチングを担当している課長のKさんから、今年の6月頃に受けたご相談です。

Kさんは、部下育成に非常に熱心な、優秀なマネージャーです。
しかし、チームの中でも特に能力が高いエース社員のAさんが
次のリーダーとしての殻を破れずにいることに、もどかしさを感じていました。

 

「君にはリーダーになってほしいんだ」
「目の前のことばかりでは困る」

Kさんは、Aさんへの期待を何度も言葉にして伝えていましたが、
その言葉は一向に響いている様子がありませんでした。

なぜ、Kさんの「期待」は、Aさんに届かなかったのでしょうか?

 

部下を変える前に、上司の“見方”を変える

コーチングの中で、私はKさんに一つの可能性をお伝えしました。
「Aさんは、自信がなくて、失敗することを極度に怖れているのかもしれません」と。

 

リーダーになるということは、これまで以上の責任を負い、未知の課題に挑戦し、
失敗するリスクを引き受けるということです。

Aさんは、その重圧から逃れるために、あえて「目の前の仕事」に没頭し、
自分のテリトリーから出ようとしなかったのではないでしょうか。

 

私の言葉を聞いたKさんの顔つきが変わりました。
「なるほど…。それなら、私がやるべきことは、彼を責めることじゃない。
彼が自信を持てるように、徹底的にサポートすることですね」

この瞬間から、KさんのAさんに対する関わり方は、180度変わりました。

 

部下をリーダーに覚醒させた、上司Kさんの4つの行動

Kさんが、Aさんの「リーダーの目」を開かせるために、愚直に、そして粘り強く続けた関わり方は、大きく4つに分類できます。
これは、部下育成に悩むすべての管理職にとって、非常に重要なヒントとなるはずです。

 

行動1:承認する(能力や努力を、具体的に認める)

まずは、Aさんがこれまで積み上げてきた実績や、日々の努力を具体的に言葉にして認め、承認し続けました。
「君のこの能力は、チームにとって不可欠だ」と伝えることで、Aさんの自己肯定感を高めていきました。

 

行動2:信頼する(「あなたならできる」と信じ、伝える)

「私は、君ならできると信じているよ」。この言葉と共に、少しストレッチした役割を任せました。
指示命令ではなく、「君を信頼している」というメッセージを伝え続けることで、
Aさんの中に「期待に応えたい」という前向きな責任感が芽生えていきました。

 

行動3:励ます(完璧を求めず、小さな一歩を促す)

「いきなり100点満点じゃなくていい。まずは10点でもいいから、とにかくやってみよう」。

失敗を恐れるAさんに対し、Kさんは完璧主義のプレッシャーを取り除き、
挑戦へのハードルを極限まで下げて励まし続けました。

 

行動4:安心させる(「失敗しても私がいる」という安全基地を作る)

そして最も重要なのが、これです。

「もし失敗しても、責任はすべて私が取る。だから、安心して思い切りやってこい」。

この言葉が、Aさんの心にあった最後のブレーキを外しました。
上司が絶対的な“安全基地”になってくれるという確信が、部下に挑戦する勇気を与えたのです。

 

たった4ヶ月で起きた、劇的な変化

Kさんがこの関わり方を徹底し始めてから4ヶ月。先日行われた面談で、彼は満面の笑みでこう報告してくれました。

「中城さん、あのAさんが、今では5人のチームを率いるプロジェクトを自ら立案して、幹部に提案するようになったんです。
あれだけ目の前のことしか考えられなかった彼が、人を巻き込み、視座を上げてくれました!」

Aさんの「成功」は、会社の発展に直接貢献するだけでなく、
チーム全体に「自分も挑戦していいんだ」というポジティブな連鎖を生み出していくことでしょう。

 

結論:上司の仕事は、部下を成功させること

研修講師の大先輩が教えてくれた、「上司の仕事は、部下を成功させることだ」という言葉があります。
今回のKさんとAさんの事例は、まさにその言葉を体現するものでした。

部下は、上司が信じて任せてくれることで、自分が思っている以上の力を発揮します。

あなたの部下の中にも、まだ覚醒していないAさんがいるかもしれません。
その才能を開花させる鍵は、あなた自身の関わり方の中にあるのです。


あなたの関わり方一つで、部下はリーダーに変わる

今回のKさんは、コーチングという第三者の視点が入ったことで、ご自身の関わり方の癖に気づき、部下へのアプローチを劇的に変えることができました。もし、あなたが部下育成において「何をやっても響かない」「どうすれば本人のやる気スイッチが入るのか分からない」とお悩みなら、ぜひ一度、プロのコーチを頼ってみてください。

客観的な視点から、あなたと部下の関係性を見つめ直し、明日からすぐに実践できる、具体的な関わり方のヒントをご提案します。あなたのチームを、そして会社を次のステージへ引き上げるのは、リーダーに覚醒した部下の力です。

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この記事を書いた専門家

中城 卓哉(なかしろ たくや)

パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ

「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。

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