この記事のポイント
- 本格的な1on1ミーティングは、時間や内容の面で上司・部下ともにハードルが高いのが現実です。
- そこでお勧めなのが、「最近、調子はどう?」と声をかけるだけの、1分で終わる「マイクロ1on1」です。
- マイクロ1on1の目的は「部下の成長」ではなく、「上司との信頼関係の構築」に特化しています。
- この小さな接点の積み重ねが、いざという時に部下が本音で相談できる関係性の土台を築きます。
なぜ「1on1ミーティング」は続かないのか?多くの管理職が抱える悩み
最近、人事やマネジメントの分野で「1on1ミーティングが有効だ」という声をよく聞くようになりました。実際、私が無料で提供している「10分間コーチングシート」も、多くの方にダウンロードしていただいています。
しかし、その一方で、「実際に導入するとなると、どうもハードルが高くて…」という声を聞くことも少なくありません。
- 部下の仕事の手を止めて、30分も1時間も話す時間なんてない。
- いざ1on1と言われても、一体何を話せばいいのか分からない。
- 部下のキャリアやプライベートな悩みにまで踏み込むのは、正直気が引ける。
- そもそも、部下から「うざい」と思われていないか心配…。
あなたも、こんな理由で1on1の導入に二の足を踏んでしまってはいませんか?
「ミニマム」より、さらに手軽な「マイクロ1on1」という新提案
先ほどご紹介した「10分間コーチングシート」は、業務上の課題解決に特化した「ミニマム1on1」を行うためのツールです。キャリアやプライベートには踏み込まず、最短10分で終わるため、かなりハードルは低いはず。ですが、「それでも、かしこまった面談に感じる」「シートの質問項目をこなすのが面倒くさそうだ」と感じる方も、もしかしたらいるかもしれません。
そこで今日は、そんなあなたのために、さらに最低限の、究極に手軽な「マイクロ1on1」というアプローチをご提案しようと思います。
【私の体験談】たった一言がチームを変えた「マイクロ1on1」の絶大な効果
この「マイクロ1on1」は、もともと私が会社員だった頃、70人もの部署メンバーの心をがっちり掴んでいた、Mさんという先輩がごく自然に実践していた手法です。
当時、私に初めて後輩ができたとき、Mさんは「中城、これだけはやっておけ」と、この方法を教えてくれました。その教えの通り、私は2人の後輩に対して「マイクロ1on1」を実践し続けたのです。その結果、後輩たちとの関係は非常に良好になり、こちらから催促しなくても、自ら「報・連・相」をしてくれるようになりました。
やり方は超簡単。「最近、調子はどう?」と聞くだけ
その「マイクロ1on1」のやり方は、驚くほど簡単です。
「〇〇さん、最近、調子はどう?」と声をかけて、話を聞く。
これだけです。本当に、これだけ。
これなら、たった1〜2分で終わりますよね。もし部下に特に問題がなければ、「問題ありません、順調です」と返ってくるでしょう。それなら「そっか、よかった。その調子で頑張ってね」でOKです。
もし業務上のトラブルを抱えていれば、「実は…」と相談してくるはず。簡単な問題ならその場で解決策を示せばいいし、複雑なら「じゃあ、後で少し詳しく聞かせて」と、改めて時間を取ればいいのです。
目的は「成長」ではなく「信頼」。マイクロ1on1がもたらす本当の価値
「え、そんなことで1on1ミーティングと呼べるの?」と思うかもしれません。ですが、「そんなこと」でも、やるとやらないとでは大違い。ゼロよりはるかに大きい価値があるのです。
考えてみてください。頻繁に自分のことを気にかけてくれる上司と、遠慮して全く話しかけてこない上司と、仕事を投げっぱなしでフォローもない上司。部下は、一体どのタイプの上司に信頼感を抱くでしょうか?
「マイクロ1on1」の目的は、本格的な1on1で目指すような「部下の自主的な成長」や「エンゲージメント向上」ではありません。そのもっと手前にある、
『上司との小さな接点を、とにかく増やすこと』
『部下の中に、上司に対する信頼感を築くこと』
なのです。
コーチングでも常々お伝えしていますが、そもそも上司と部下の間に信頼関係がなければ、どんなに素晴らしい傾聴も、鋭い質問も、その効果は半減してしまいます。「マイクロ1on1」は、その土台となる信頼関係を築くための、最も簡単で、最も効果的な種まきなのです。
以前、上智大学で職員研修をさせていただいた際にも、このアプローチを自然に実践している上司の方がいました。その方は、「うちの部署はみんな仲がいいですよ。何でも話してくれます」と、当たり前のように、しかし、とても誇らしげにおっしゃっていたのを今でも覚えています。
まとめ:まずは1日1分から。小さな種まきが、やてが大きな信頼を育てる
本格的な1on1ミーティングは、正しく行えば非常に高い効果を発揮します。しかし、その分、上司にとっても部下にとっても、心理的なハードルが高いのは事実です。
もしあなたが、そのハードルの前で立ち止まっているのであれば、まずはこの「マイクロ1on1」から始めてみてはいかがでしょうか。
1日たった1分の「最近、調子はどう?」。この小さな種まきが、やがて部下との間に揺るぎない信頼関係という大きな木を育ててくれるはずです。
1on1や上司・部下の関係改善に
私のコーチングは主に経営者の方が対象ですが、もちろん管理職の方もクライアントさんになることがあります。部下の育成やリーダーシップの悩みは、役職に関係なく、人を率いるすべての人が向き合うべきテーマですからね。
リーダーの「在り方」が、チームを変えます。本気で良いチームを作りたい、人を育てたい、とお考えの方は、ぜひ一度トライアルで私のコーチングを試してみてください。
この記事を書いた専門家
中城 卓哉(なかしろ たくや)
パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ
「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。
部下との関係構築や育成方法にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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- 「部下育成のために1on1がいいっていうけど、何を話せばいいの?」
- 「部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらないよ」
- 「1on1なんて、やっても時間の無駄なんじゃないの!?」
普段忙しい管理職の方には、こう思う方が多いのではないでしょうか?
- 会社で1on1をやれと言われたけど、部下と何を話していいかわからない
- 部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらない
- 流行りの1on1をやっているけど、いつも上司が一方的に話して終わってしまう
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