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相手が自分ごとで考えるための、コーチング的な話の進め方【パワーコーチ】

★相手が自分ごとで考えるための、コーチング的な話の進め方

今日の話は、コーチングを題材にしていますが、
マネージャーや経営者の方にも通じる大切な話になっています。

「部下の考えが浅い」「どうでもいいことばかり考えている」
と思って手を焼いている方は、きっと参考になると思いますので
最後まで読んでみてくださいね。

 

先日、コーチング学習者の皆さんと
みっちり「稽古」するセミナーをやってきました。
(その名も「コーチング稽古会」!)

参加者同士でミニコーチングをして、課題点や改善点をフィードバックする
という、けっこうガチめの練習会です。

 

その中で、久しぶりに私がクライアント役(コーチングを受ける人)になりました。

普段はコーチングをやるか指導するかなので、
練習会でも私がコーチングを受けることは少ないのですが、

参加者のRさんが勇気を振り絞って(!?)、やってくれたんです。

 

Rさんは私とは違うところでコーチングを学んでいます。
そこで学んだプログラムを用いてコーチングしてくれたんですが、

そのときRさんに伝えたフィードバックは
コーチだけでなく、多くの人に共通する指導者のポイントになります。

 

Rさんはクライアントに対する姿勢も申し分なく、
以前参加されたときよりずっと上手になっていました。

Rさんにとってあまり馴染みのなさそうなテーマでコーチングしたのですが、
それでも焦ったりすることなく、真摯に向き合ってくれたんです。

 

ところが、Rさんがツールを使い始めたあたりから、
私はコーチングを受けながら、よくわからなくなってしまいました。

 

「今新しく取り組んでいることの営業について考えたいです」
「わかりました。それがうまくいくと、どんな未来が待っていますか?」

「売上も立つし、協力してくれる人たちにも報いることができます」
「それができたら、どんないいことがありますか?」

「…? まあ、皆さんの役に立つし、新しいこともできるし、
 ってことでいいですか?」
「いいですね。では、皆さんの役に立つことが重要なんですね?」

 

ざっというとこんな感じだったんですね。

 

この流れで、どうして私が「わからなくなった」のかというと、
「自分が最初に持ってきたテーマから離れていると感じた」
「自分が考えたいと思ったこととは違うことを聞かれていた」
からです。

「営業について考えたい」と、抽象的な答えだったのも良くないんですが(笑)、
私がこのときコーチと一緒に考えたかったのは、

「新しいプロジェクトについて、どう営業していくか」
「具体的に何から始めて、どんな準備をして、何を解決すべきか」
といった、行動や戦略、計画についてです。

 

ところが、このときのコーチングで聞かれたのは
「やった先にどんな未来があるか」
「なぜ、これをやりたいのか」
といった、メンタルや感情、動機についてだったんですね。

 

コーチングにおいて、メンタルや感情、動機はめちゃくちゃ大切なので
コーチがこれを聞いたのは正しいことですし、
そこをきちんと押さえたRさんは「さすが!」だったのですが、

残念ながらRさんは、この重要な質問をする前のステップを
1つ2つ飛ばしてしまっていたんです。

 

Rさんが飛ばしてしまったステップとは何か。

それは、「相手が現在考えていることを、一通り話してもらう」
ということでした。

 

コーチングの考え方では、やる気や感情、動機が重要。
なので、その重要なことについて先に質問する。

これは重要なことではあるのですが、

クライアント側からすると、自分が考えたいことに触れることなく
「関係ないこと」を聞かれていると感じてしまうんですね。
(本当は大いに関係あるんですが、聞かれた側はわからない)

そうなると、聞かれた質問の意味も重要性も実感できていないので、
十分に考えることができず、答えが曖昧になることもありますし、

コーチの質問が主導で、クライアントはそれに答えるだけ、
となり、クライアントの主体性が損なわれることもあります。

 

なので、Rさんの次のステップとして、
「ツールのプロセスに入る前に、クライアントの考えを聴く」
というアドバイスをしました。

クライアントが話していく中で、クライアントの感情を深めるために
「それをやったらどんないいことが?」「何のためにやるんですか?」と
「やり方・方法論」以外の質問をする。

そうすることで、クライアントが
自分の当初考えたかったことについては十分話した上で
「考えたことのない角度の質問」を受けて考えを深めることができる。

いきなり感情やメンタルの質問をするより、効果が上がるんです。

 

・・・

ということを踏まえて、部下を抱える方にも参考にしてほしいんですが、

「何かのアドバイスをする前に、相手の考えを一通り聴く」
「いきなり本質に行かず、相手の現在地点をスタートにする」

というのが、人を伸ばす対話にはとても重要です。

 

上司は知見も多く、全体像が見えていますから、
「そんな枝葉末節のことより、重要なことがある」とわかるので、

部下の持ってきた話より重要度の高い本質的な話をしたくなることもあります。

 

ですが、部下はその全体像が見えていないことも多いですし、
「重要だ」と感じるポイントも上司と違います。
(これは立場や経験の違いによって生まれる違いでもありますが)

 

ここで、部下が「今、これについて話したい・考えたい」と思っているのに、
「それよりこっちの方が重要だ」と部下の現在地をスキップして、
上司の考える「重要なこと」の話をいきなり始めてしまうと、

部下はよくわからないまま、よくわからないことについて話すことになります。
当然、そんなに主体的に考えることはしにくくなってしまうわけです。

 

ですから、上司としては「それより重要なことがある」と思っていても、
まず部下の「重要だと思う」話を聞きましょう。

そこをスタート地点として、一緒に話しながら
質問やアドバイスなどを駆使して、話を深めていく。

そうすると、部下も一緒に、重要なことを考えられるようになるんです。

 

※この話の流れだと、Rさんが全然できていなかったみたいになっちゃいますが、
 個々の質問は上手だったし、コーチとしての接し方も十分良いものでした。

 より効果的に進める為のフィードバック、ということでお伝えしたものです。

 Rさんの名誉のため、一言添えさせていただきますね。


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