能力開発×コーチング コーチング

カタコトの英語で、鬱を治した話

8年前、私がアメリカで、アンソニー・ロビンズの
リーダーシップトレーニングに参加したときの話です。

そこでは、「価値観レベルで人が変わる技術」を学ぶのですが、
これがまた、スゴイの一言で、
目から何枚もウロコを落として参加していたんです。

それまでも、アンソニー系のコーチングをやっていましたが、
やはり公式は違いました。
すぐに使える実践的なスキルを、毎日学ぶことができました。
 

そして、トレーニングの最終日。
「3人組を作って」と言われたので、他の受講者2名と
一緒にグループになりました。

「では、これからお互いにコーチングをやってみて」と、
トレーニングの総仕上げが始まったのです。
 

ちなみに、この時の私の英語力ですが、TOEICでいうと650点くらい。
できなくはないですが、流暢でもありません。

正直、会話はカタコトでしのいでいましたし、
セミナーで言われていたことも半分くらいしか理解できませんでした。

日本に来ている外国人が、
「コニチワ、ワタシ、イギリスカラキマシタ」
と言ってるようなレベルでしょうか。
もちろん、普段コーチングで使うような器用な言い回しはできません。
 

それでも、始まってしまったものは仕方ありません。
目の前の女性に、「あなたの課題は何?」と聞くと、
「Depression」と答えました。

残念なことに、私はこの言葉の意味を知らなかったので、
「きっと気分が落ち込んでいるとか、そういうことだろう」と推測し、
習ったとおりのコーチングをはじめました。
 

しかし、カタコトの英語で、スムーズに進まないのを見て、
同じグループのスイス人の女性が割って入り、
「さあ、あなたの未来を感じるのよ、感じて!」
と、私の代わりにコーチングを始めてしまったのです。

しばらく彼女のやることを見ていたのですが、
どうもクライアントの反応が鈍い。
英語は当然上手ですし、スキルも適切に使っているのに、
あまりうまく進みません。

クライアントの女性は、そんな中でも懸命に取り組んでいたのですが、
私の目には苦しそうに見えました。
 

私は、その様子を見て「何かが違う」と思い、
スイス人の女性に「ごめんね、僕の番だから僕がやるよ」と伝え、
あらためてコーチングを開始しました。
 

Depressionについてはよくわかりませんが、本人が改善したいことです。
彼女の目を見て、本気で向き合いました。

思いつく限りの質問を、知っている限りの英単語で、
全力で問いかけているうちに、少しずつ反応が変わってきました。
苦しそうな顔が、覚悟を持った顔に変わってきたんです。
 

最後に私は、こう訊ねました。
「How about your son? How does he feel about you?」
(あなたの息子さんはどうなの? あなたを見てどう思うだろう?)

すると、彼女は泣き崩れ、
「私、このままでは息子に軽蔑されるわ!」
というようなことを叫んだのです。

そして、その次の瞬間、「私は絶対に変わる!」と言いました。
その瞳には、先程までの弱々しい表情はまったくなく、
「自分を変える」と心に決めた母親の姿がありました。
 

その後は、相変わらずカタコトの英語で、習ったスキルを使い、
無事に彼女の問題を解決することができました。

終わってから、「あなたのおかげよ、ありがとう!」と
満面の笑顔で言われたことを、今でも思い出します。
 

ちなみに、今日のメルマガタイトルからお察しの通り、
Depressionとは「鬱」のこと。
カタコトの英語で、鬱を治してしまったのでした。
(治したのは本人の心の力だったんですけどね)
 

ここで、私はコーチとしてもっとも重要なことを学びました。
それは、
【スキルだけでは、本質的な変化は起こせない】
ということです。

そして、
【どんなに不利な条件があっても、その時にできる最善を尽くす】
ということも学びました。
 

クライアントは、それこそ人生そのものを賭けて相談に来ます。
コーチの対応一つで、その後がまったく違うことも大いにありえます。

そのとき、どれだけ真剣に相手に向き合えるか。
打つ手が無いように見えたとき、それでも打つ手を探すことができるか。
「絶対にこの人の力になる」という覚悟が持てるか。

NLPやら心理学やらのテクニックは、もちろん重要ですが、
こういう覚悟や心構えこそが、圧倒的な結果を生むということを
鬱だった女性に教えてもらったのでした。
 

なので、今でも私は、クライアントに真剣に向き合います。
真剣さ故に「ドS」とか言われても、気にしないのです(笑)
 

★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント

本気で向き合う姿勢を持とう

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