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後継社長は先代の経営理念とどう折り合いをつけるのか?

今回の富山出張は、経営者の勉強会に出席するのが
一番の目的だったんですが、
私が参加した分科会のテーマが、「事業承継」でした。

私は創業者なので、事業承継については当事者ではないのですが、
実家は電器屋を今でもやっていて、子供の頃は跡継ぎと言われていたので

事業承継「しなかった」後継者ということでは
ある程度無関係ではないのかな、とも思います。

 

さて、分科会では先代社長と現社長が一緒に登壇して
それぞれの立場から事業承継の話をしてくれました。

その中で、現社長(後継者)がこう言ったんです。

「先代の理念がとてもいい理念なので、私の理念もあるんですが、
そっちに舵を切れない自分がいるんです」

 

これって、後継者ならではの悩み・課題だと思います。

 

創業者は自分がやりたくて創業する場合がほとんどですから、
自分の考えを言葉にすれば会社の理念になります。

幹部や社員の意見を取り入れて作る人もいますが、
根本は「社長がどうしたいか」ですよね。

 

それに対して、後継者の場合は
先代が作った理念や方針、組織などがあります。

理念や方針というのは、会社の方向性や価値観を表したものですから、
元からある理念は大切にしていく必要があります。

 

ただ、後継者も会社を受け継いだ時点で社長、
つまり最高責任者になるわけですから、自分のやりたいこともあるわけです。

元からある会社の根本である理念を受け継ぎつつ、
でもそれに縛られることなく、自分のやりたいことを実現する、
という、相反するような振る舞いが求められるわけです。

 

この問題は「これ」という正解のない話なので
社長の数だけ答えがあるんですが、

私の考えを少し、お話ししたいと思います。

 

会社の理念というのは、その会社の存在意義であり
会社を形作る重要な概念です。

経営者が本気で深く考えて思いを形にしたものであれば、
それは変えるべきではないと思っています。

そうでないと、外側だけが同じだけど、違う会社になってしまう。

 

たとえば
「おいしいラーメンを通して家族の温かさを届ける」
という理念の会社があったとき、

後継者が「家族の温かさよりマニアを唸らせるラーメンがいい」と
「おいしいラーメンを作って、ラーメンマニアを唸らせる」
という理念に変えてしまったら

店舗や社員、商品となるラーメンは一緒でも
全く存在意義の違う、別の会社になるわけです。

 

だったら、それはもう新しい会社を作ったのと同じ、ですよね。

 

それじゃ、後継者は自分の思う経営をしてはいけないのか?

ここが難しいところなんですが、
私は後継者であっても、自分の思いを経営に表現すべきだと思います。

 

では、どうやって後継者の考えや個性を表現するのか。

私の答えは「理念を体現する方法で表現する」です。

 

理念というのは基本的に、抽象的になります。
「会社の存在意義」「会社が大切にする概念」ですので。

抽象的な方向性が理念ですから、その具体的な解釈は人それぞれになるし、
その方向に向かう向かい方も、一つではありません。

「会社が大切にすること」は先代のものをきちんと受け継ぎつつ、
その方法・手段は時代や市場に合わせて、後継者の考えで
柔軟に変化させていけばいいと思います。

 

先ほどの「おいしいラーメンを通して家族の温かさを届ける」会社なら
「家族の温かさ」って何だろう? の解釈はそれぞれですから、

後継者の考える「家族の温かさ」を実現するように経営すればいい。

何でもない日の家族の団らんも「家族の温かさ」でしょうし、
特別な日のお祝いだって「家族の温かさ」です。

先代が家族の団らんを意識した経営をしていたとして、
後継者が特別な日のお祝いを意識してもいいわけです。

 

ただ、これはかなり難しく、言葉の表面だけを捉えていると
結局本来大切にすべきことが疎かにされてしまいます。

そういう意味では、理念に表現された本当の意図や思い、
価値観や考え、言葉の定義など、より深く理解する必要がありますね。

 

会社を渡す先代は、自分の思いを明確に言葉にする。
後継者は、理念に表現された真意を深く深く理解する。

私は今のところ事業承継の予定はありませんが、
「事業を継ぐ」って、人の心を継ぐことだと思うと
とても尊いことだなと思った、富山出張だったのでした。


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