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経営理念が社員に浸透しない2つの理由

社長さんと話をしていると、よく言われる悩みに
「なかなか経営理念が浸透しないんだよね」
「社員に理念が伝わっていないんですよね」
というものがあります。

社長としては、「こういう理念で会社をやっていきたい」
という思いがあるのに、それが社員に伝わっていない。
社長の思うような動きをしてくれない。

これ、いろいろな会社で耳にする話です。

それで、「一度言ったくらいではわからないから」と
毎日朝礼で唱和したり、何度も社長の訓示で話して聞かせたり、
オフィスの壁に理念を書いて貼っておいたりするんですが、
一向に伝わらず、頭を悩ませてしまうんですよね。
 

こういうとき、もちろん会社の数だけ事情がありますから、
社員に理念が伝わらない理由もたくさんあるわけですが、
いろいろ話を聴いていると、だいたい2つに集約されるかな、と。

社員に理念が伝わらない理由は、
・理念が明確でなくて理解できない
・社長がその理念を生きていない
と、だいたいこの辺に落ち着いているようです。
 

まず、「理念が明確でなくて理解できない」。
理解できないものは、行動に移せません。

たとえば「お客さまの笑顔のために全力を尽くします」
という理念はとても素晴らしいですが、
「お客さまの笑顔」も「全力を尽くす」も、抽象的な言葉なので
人によって解釈が異なってしまう。

お客様の笑顔のために、いい商品を開発しようという人もいれば、
お客様の笑顔のために、何度も足を運ぼうという人もいれば、
お客様の笑顔のために、お笑いのネタを仕入れようという人もいるわけです。
 

社長は「お客さまの笑顔のために、丁寧に仕事しよう」と思っていても
社員は「お客さまの笑顔のために、スピードを上げよう」と思っていたら
「伝わってないな」となってしまう。

けど、社員は「お客様の笑顔のために全力を尽くして」いるわけです。
その方向性が、社長の思ってたのと違うだけ。

だから、社員に伝えるときは、ここを明確にしなければいけないわけです。
 

 余談ですが、アンソニー・ロビンズの教材の中に、
 「Code of Conduct」という言葉が使われていました。
 日本語で言うと、「行動規範」という意味のようです。

 「理念」はビジネスの方向性。「ビジョン」は実現した未来。
 「価値観」は優先事項の明確化。「行動規範」は仕事の基準。
 それぞれを分けて、明確な言葉にして伝えるとわかりやすいですね。
 

で、その次の「社長がその理念を生きていない」ですが、
それはもう、そのまんまです。

「お客様の笑顔のために」と言っている社長が、陰で
「あのお客は売上にならないから、後でいいよ」と言ってたり、
「全力を尽くします」と言いながら、材料をケチったり、
そういうことをしていたら、そりゃ伝わるわけがありません。

人は、その人の言葉より、行動の方をよく受け取ります。
コミュニケーションの研修などでよく出てくる「メラビアンの法則」は、
もともとそういう意図で使われています。

「我が社の理念」を作ったならば、まず社長が、その理念のとおりに振る舞う。
その振る舞い方を見て、感度の高い社員から順に、影響を受けてきます。
その上で、明確な言葉を伝えていくことです。
 

私がセミナーの業界に足を踏み入れたばかりの頃、
ある大先輩の講師の方が、こう言いました。

「セミナーなんてのはさ、生き様しか伝わらないんだよ」

この言葉は、10年以上たった今でもよく覚えていますし、
自分に対する戒めにしています。

セミナーに限ったことではなく、社員を育てるときもそうですし、
子供の育ち方も、親の振る舞いや生き方がよく伝わっています。
 

「生き様」というと、ちょっと精神論っぽくなりますが、
今まで多くの人の相談に乗ってきた中で、これほど重要なポイントは
ないと言えるくらい、重要です。

日々、この「生き様」を、向上させ続けていきたいものですね。
 

★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント 

理念は自分の行動で示し、明確な言葉で伝えよう


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