人材育成×コーチング マネジメント×コーチング 能力開発×コーチング コーチング

【行動できない人の口癖】あなたが「やった方がいい」で止まってしまう、たった1つの理由

この記事のポイント

  • 「やった方がいい」と頭で分かっているのに動けないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
  • 人間の行動の原動力は「理性」ではなく「感情」です。理性は進むべき方向を示す「ハンドル」に過ぎず、それだけでは車は1ミリも進みません。
  • 「やった方がいい」という言葉には、行動を起こすための「エンジン」となる感情のエネルギーが全く伴っていません。
  • この記事では、「やった方がいい」という思考停止ワードを、「やりたい!」または「やらないとマズい!」という行動のスイッチに変えるための具体的な問いを解説します。

「やった方がいいんですけど、なかなかやれないんです…」

コーチングの現場で、本当によく耳にする言葉です。
そして、私はこれを聞くと、いつもこう思うんです。

「まあ、そうでしょうね。その言葉を使っている限り、やれないでしょうね」と。
(そして、クライアントさんにも、だいたい同じことを言ってしまいます(笑))

 

なぜ、私がそう断言できるのか。
その理由をお話しする前に、10年以上前に私が読んで「なるほど!」と膝を打った、
あるメールセミナーの言葉をご紹介します。

 

「『収入はたくさんあればあっただけいい』という人は、逆に言うと『少なければ少なくても別にいい』と言っているのと同じです」

 

「なるべくたくさん収入があるといいなぁ」というのは、そこにリアリティも切実さもない、ただの願望に過ぎません。
「何が何でも欲しい!」わけではないから、たとえ手に入らなくても、感情的な痛みはほとんどない。
だから、本気で稼ぐための努力をするほどのエネルギーが湧いてこない、という話でした。

これって、「やった方がいいんだけど…」が口癖になっている人の心のパターンと、全く同じだと思いませんか?

 

あなたの車には「ハンドル」しか付いていない

「やった”方がいい”」ということは、心の底から「やりたい!」わけではない。
そして、「やらなくても別に死ぬわけじゃない」から、感情的な痛みも弱い。
だから、それを実行するためのエネルギーが、いつまで経っても発揮されないのです。

このメカニズムを、車に例えてみましょう。

  • 理性(思考)= ハンドル
  • 感情 = エンジン & 燃料

 

「やった方がいい」というのは、理性の判断です。
「こっちの道に進んだ方が、ゴールに早く着けるだろう」と、ハンドルを切る方向を示しているに過ぎません。

ハンドルは、より良い選択をするためには不可欠です。

 

しかし、あなたがどれだけ必死にハンドルを回したところで、車は1ミリも前に進みません。
車を動かすには、強力なエンジンと、それを燃やすための燃料が必要不可欠。

そして、我々人間の行動において、その役割を果たすのが、【感情】なのです。

 

「これをやらないとマズい!」という焦りや恐怖の感情。
「これがやりたくてたまらない!」というワクワクや楽しみの感情。

これらの強い感情が伴って初めて、私たちは行動というアクセルを踏み込むことができます。

「やった方がいい」という言葉は、完全に無味無臭。感情のエネルギーがゼロなのです。
だから、動けないのは当たり前だったのです。

 

「やった方がいい」を「行動」に変える3つの魔法の質問

では、どうすれば感情というエンジンを始動できるのか。

コーチである私は、クライアントさんにこんな質問を投げかけ、思考の裏に隠れている感情を掘り下げていきます。
ぜひ、あなたもご自身の「やった方がいいこと」を思い浮かべながら、セルフコーチングをしてみてください。

 

質問1:「どうして、やっておいた方がいいと思うんですか?」

「理由」は感情に結びつきやすい。
ですから、まず「やっておいた方がいい」という思考の裏にある感情を見つけ出します。

「やらないと後で苦労するから」 → 「後で苦労するのは嫌だ」という感情
「やった方が成長できるから」 → 「より良い自分に成長した」という感情

「方がいい」という理性の言葉を、感情の言葉に置き換える最初の質問なのです。

 

質問2:「やらなかったら、どんな未来が待っていますか?」

現状維持のリスクを直視し、健全な危機感を煽るための質問です。

「やっておいた方がいい」と理屈で考えているうちは、ネガティブな未来をイメージできていません。
やらなくても痛くないと思っているうちは、行動できないというわけです。

だけど、「やらなかったら」の未来はだいたい、
「本来やりたかったことができなくなる」
「やらないツケが回って、健康を害する」
のようなネガティブなもの。

これを明確にすることで、「やらないとマズい」の感情を引き出すのです。

 

質問3:「やっておいた”方がいい”を、”やりたい”にするには、何が必要ですか?」

ちょっと答えるのが難しいかもしれませんが、
クライアント自身が思考を感情にシフトするための質問です。

「やった後の未来を描いたらやりたくなるかもしれない」
「やりきったらご褒美を設定すればいい」
のように、自分の感情を動かす方法を考えてもらいます。

答えるのが難しいので相手を選びますが、
コーチが無理矢理感情にアプローチするより有効です。

 


「感情」を「ロジカルに」理解し、使いこなす技術

今日の記事でお伝えしたように、人が行動するには「感情」のエネルギーが不可欠です。
しかし、多くの人は、この最も重要なエネルギーの正体を、感覚的にしか理解していません。

先日ご案内した10月26日(日)のオンラインセミナーでは、
この「感情」のメカニズムを、誰でも理解し、自分で使えるように、極めてロジカルに解説します。

なぜ、あなたの感情のエンジンはかからないのか?
どうすれば、自在にアクセルを踏み込めるようになるのか?

その答えが、ここにあります。

「行動できない」を「サクサク動ける」に変えるセミナーはこちら


この記事を書いた専門家

中城 卓哉(なかしろ たくや)

パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ

「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。

部下との関係構築や育成方法にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


初めてでも10分で1on1ミーティングができるツールを無料プレゼント!

  • 「部下育成のために1on1がいいっていうけど、何を話せばいいの?」
  • 「部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらないよ」
  • 「1on1なんて、やっても時間の無駄なんじゃないの!?」

普段忙しい管理職の方には、こう思う方が多いのではないでしょうか?

  • 会社で1on1をやれと言われたけど、部下と何を話していいかわからない
  • 部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらない
  • 流行りの1on1をやっているけど、いつも上司が一方的に話して終わってしまう

こんな問題を、1枚のシートで解決できます!

>> 詳しくはこちらをご覧ください

-人材育成×コーチング, マネジメント×コーチング, 能力開発×コーチング, コーチング

© 2025 眠っている能力を目覚めさせて、望む結果を創り出す パワーコーチ株式会社