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【なぜ?】優秀な部下ほど「できません」と言う本当の理由|隠された心理と上司の対応策

【この記事のポイント】

  • 優秀で評価の高い部下が「できない」と挑戦を避けるのは、能力不足が原因ではないかもしれません。
  • その言動の裏には、「失敗して今の高い評価を失いたくない」という無意識の恐怖と「自信のなさ」が隠されています。
  • 上司は能力を疑うのではなく、「優秀な人ほど失敗を恐れる」という心理を理解し、寄り添う姿勢が重要です。
  • 「完璧じゃなくていい」「失敗しても私が責任を持つ」という安心感を与える声かけが、部下の秘めた力を引き出す鍵となります。

【実際のコーチング事例】期待の部下が「できない理由」ばかり言う…

先日、ある企業の管理職Kさんとコーチングを行う中で、非常に興味深いご相談を受けました。これは多くのリーダーが一度は直面する悩みかもしれません。

管理職Kさんの悩み:期待しているのに、挑戦してくれない

Kさんの部署には、Aさんという非常に優秀な中堅社員がいます。周囲からの評価も高く、Kさん自身も「今後はリーダーとして部署を引っ張っていってもらいたい」と大きな期待を寄せていました。

そこで、Aさんのさらなる成長を促すため、少しレベルの高い仕事を任せてみることにしたそうです。例えば、

  • 「役員向けのプレゼン資料を作成してくれないか?」
  • 「会社の10年先を見据えた新規事業プランを考えてほしい」

といった、視座を高めるための重要なミッションです。

返ってくるのは「できない理由」の数々

しかし、Aさんから返ってくるのは、期待とは裏腹な言葉でした。

「今、〇〇の業務で手一杯なので、とてもじゃありませんができません」
「10年先なんて、誰にも分かりませんよ。私には無理です」

Kさんは困り顔でこう言います。
「目の前の仕事が大事なのは分かります。でも、そればかりでは会社の未来がありません。彼ならできるはずなのに、なぜ『できない理由』を挙げてやろうとしないのでしょうか…」

Kさんの見立てでは、Aさんの能力なら、これらの仕事は十分にこなせるはず。にもかかわらず、本人は頑なに挑戦を避けようとするのです。

「できない言い訳」の裏に隠された、たった一つの本当の理由

私はKさんからAさんの話を詳しく聞いているうちに、一つの仮説にたどり着きました。
これは、「やるべきだ」と頭では分かっているのに行動できない多くの人に共通する、無意識の心理パターンです。

その正体は「自信のなさ」

そのパターンの根本原因は、驚くかもしれませんが「自信がない」ということです。

Kさんは「Aさんは優秀で評価も高いのだから、自信がないなんて考えにくい」と思ったかもしれません。しかし、実はここに大きな落とし穴があります。

なぜ「優秀な人」ほど自信を失いやすいのか?

Aさんのように、常に優秀で周りから高い評価を受けてきた人ほど、皮肉なことに「自信がない」状態に陥りやすいのです。

なぜなら、彼らにとって新しいことへの挑戦は、「もし失敗したら、今まで築き上げてきた高い評価をすべて失うかもしれない」という巨大なリスクを伴うからです。

「うまくできているから、周りに認められている」という認識は、その裏側で「うまくできないと、自分は認められない存在になってしまう」という恐怖と直結しています。

この無意識のプレッシャーが、「できない理由」を探させ、挑戦から身を守るための言い訳を生み出しているのです。

部下の力を引き出す上司の関わり方とは?

この仮説をKさんに伝えたところ、ハッとした表情で、思い当たる節を話してくれました。

「20点の出来でも大丈夫」が安心感を生む

「そういえば以前、Aがある幹部へのプレゼンでひどく悩んでいたことがありました。その時、私が『大丈夫。完璧じゃなくていい。20点の出来でもまず持ってきて。あとは一緒に修正すればいいから』と声をかけたら、彼がすごくホッとした笑顔になったのを思い出しました…」

このエピソードこそが、Aさんの心理状態を物語っています。

あなたの一言が、部下の第一歩を後押しする

私たちは、能力の高い人を見ると「あの人はできるから、悩みなんてないだろう」と勝手に思い込んでしまいがちです。
しかし、実際には優秀な人ほど、その評価を背負うがゆえの「自信のなさ」や「失敗への恐怖」を抱えているものです。

もしあなたの部下に、能力があるのに言い訳ばかりして動こうとしない人がいたら、その態度を責める前に、一度立ち止まってみてください。

「もしかしたら、これは自信のなさの裏返しかも?」

そう捉え、相手の心に寄り添うことができれば、あなたのかける言葉は変わってくるはずです。

「大丈夫、私がついてるよ」
「失敗しても責任は私が取るから、思い切ってやってごらん」

上司であるあなたからの、そんな温かい一言が部下に絶対的な安心感を与え、彼らが本来持つ能力を最大限に発揮するきっかけになるのです。


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