【この記事のポイント】
- プレッシャーや孤独に悩む管理職・経営者にとって、客観的な視点を持つ「社外メンター」は非常に有効な選択肢です。
- メンター選びの基準は2つ。「あなたと同じ課題を解決した経験者」か「多様な人の課題解決を支援してきた伴走者」です。
- 最大の注意点は「自分とタイプが違う成功体験を持つ指導者」。その人のやり方が合わないと、かえって自信を失う危険性があります。
- 「名選手が名監督になるとは限らない」という言葉の通り、指導実績や自分との相性を見極めることが成功の鍵です。
なぜ今「社外メンター」が必要とされているのか?
最近、Yahoo!ニュースで「孤独な管理職、助言は社外メンターから」といった趣旨の記事が取り上げられ、話題になっていました。これは、現代のリーダーたちが直面する困難の表れだと感じます。
相談相手のいない管理職・経営者の現実
リーダーという立場は、想像以上に孤独です。
- 課長は部長に相談したいが、部長が多忙で捕まらない。
- 社長にはそもそも相談できる上司がいない。
- 部下には弱音を吐けず、上からはプレッシャーをかけられ板挟みになる。
- 社員の生活を背負い、全責任を一人で抱え込んでいる。
初めて管理職になった人、初めて会社を経営する人…。誰もが最初は初心者です。にもかかわらず、周りからは「リーダーなのだからできて当然」と見られ、試行錯誤するしかありません。近年は離職問題やハラスメントなど、気を遣うべき事柄も増え、リーダーの負担はますます大きくなっています。
「メンター代行」サービスの有効性
このような状況で、利害関係のない社外の専門家が相談相手となる「メンター」のようなサービスは、非常に有効な解決策だと私は考えています。私自身、20年近くコーチとして多くの方の話を聴く中で、「経営者や管理職など、組織の“上”に立つ人ほど相談相手が必要だ」と痛感してきましたが、その価値がようやく社会に浸透し始めたと感じています。
そこで今回は、この流れをさらに良いものにするために、コーチングの専門家として「社外メンターを選ぶときに、これだけは気をつけてほしい」という点をお伝えします。
失敗しない社外メンター選び、2つの基準
社外のメンターやコーチ、アドバイザーを選ぶ際には、大きく分けて2つの基準があります。どちらかの条件を満たしていれば、あなたの大きな助けとなる可能性が高いでしょう。
基準1:あなたと同じ課題を「クリアした経験がある」人
最も分かりやすいのが、あなたの今の課題を、過去に自分自身で乗り越えた経験を持つ人です。例えば、
- 飲食店の店長なら、自身も店長として店舗の問題を解決し、成功させた経験のある人。
- 個人で治療院を経営しているなら、同じように治療院を軌道に乗せた実績のある人。
こうした指導者は、具体的な問題解決の方法(答え)を知っています。壁にぶつかった時に相談すれば、的確なアドバイスをもらえるため、スピーディーな成長と成果が期待できます。
基準2:多様な課題を「クリアさせてきた」人
もう一つのタイプが、特定の業界経験はないものの、多様なクライアントの成功事例を数多く持っている人です。彼らは、個別の業界知識ではなく、「人を成長させるノウハウ」や「問題解決の原理原則」といった普遍的なスキルを持っています。
例えば、「製造業の工場長に営業する際の具体的なトークを教えてほしい」と頼んでも、その人は答えを知らないかもしれません。しかし、そこで「分かりません」と終わらないのがこのタイプです。
「課題解決の原則に当てはめると、こういうアプローチが考えられますね」
「あなたの強みである〇〇を活かして、このような方針で進めてみませんか?」
このように、あなたの中から答えを引き出し、一緒に解決策を創り上げていくことができます。自分が経験したことのない未知の課題にも対応できるのが、このタイプの強みです。
【最重要】メンター選びで絶対に注意すべきこと
さて、どちらのタイプを選ぶにしても、絶対に気をつけるべき重要なポイントがあります。特に「基準1:クリアした経験がある人」を選ぶ際にここを間違えると、逆効果になりかねません。
逆効果になる最悪の組み合わせとは?
最も注意すべきなのは、【あなたと違うタイプで成功し、かつ、自分のやり方に絶対の自信を持つ指導者】です。
例えば、何億円も売り上げた伝説の営業マンがいたとします。彼の成功法則が「高いコミュニケーション能力で相手と親密になり、論理的で完璧なプレゼンで契約を取る」というものだったら、どうでしょう?
あなたも同じように論理的でコミュニケーション能力が高いタイプなら、その手法は大きな武器になります。しかし、もしあなたが私のように人見知りだったり、論理的思考が苦手だったりした場合、同じやり方は逆立ちしてもできません。
結果として成果は出ず、自信満々の指導者からは「なぜできないんだ」「それでは論理的じゃない」とダメ出しされ続ける…。これでは自信をなくし、萎縮して、かえってパフォーマンスが落ちてしまいます。
「名選手が名監督になるとは限らない」理由
まさに、「名選手が名監督になるとは限らない」のです。その人が素晴らしい実績を持っていることと、その人が「あなたを」成長させられるかどうかは、まったく別の話です。
指導者を選ぶ際は、その人の実績だけでなく、
- 自分と同じようなタイプで成功した人か?
- あるいは、自分とは違う多様なタイプの人を成功させてきた実績があるか?(=名監督か?)
この視点を持ち、あなたの成長と成果に本当に繋がるかどうかを冷静に見極めることが何よりも大切です。
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