「幹部にもっと、幹部としての自覚を持ってほしい」
「研修の機会を与えているのに、成長が感じられない」
「こちらの言うことを、理解しようとしない」
経営者をしていると、こういう不満って尽きないものですね。
こういうとき、だいたい想定できる原因って、
・社員に自己成長するモチベーション(動機)がない
・研修の意義や目的が伝わっていない
・そもそも社員自身の能力が低い
というようなものが浮かんでくるんですが、
もう一つ、めっちゃ重要な原因があるのです。
これはコーチングをする上でもとても重要で、
ここを外しているコーチは、クライアントの伸びが鈍くなります。
その原因というのが、
【経営者が社員を低く評価している】
ということです。
「社員の生産性が低いんだから、低く評価するのは当然だろう」とか
「その評価を高くするために努力してもらわないと困る」とか
そういう経営者の気持ちはよーくわかるんですが、
それを踏まえた上で、心理学の側面から説明したいと思います。
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心理学の実験で、「ピグマリオン効果」というものがあります。
本当にざっくり解説すると、
「人は他者から期待されると、その期待通りに成長する」というものです。
実験の内容はこうです。
子供たちを2つのグループに分けて、一人の先生に担当してもらいました。
先生には、
「A組の子は、IQテストで優秀な成績を出した子たちです。
B組の子は、普通の子たちです」
と伝えます。
その上で、A組にもB組にも平等に接するようにしてもらいました。
そうして1年経って、子供たちの学力をテストしてみると、
A組の子たちの方が成績が良く伸びていました。
そして、この実験で重要なのは、
「A組もB組も、実は普通の子たちで、IQの差はなかった」
ということです。
つまり、先生には嘘を教えていたんですね。
A組もB組も普通の子だったのに、
なぜA組の方がよく成績が伸びたのか?
実験から言われているのは、こういうことです。
「先生は平等に接しようとしていたけど、
無意識にA組にはポジティブな期待をしていて、
『この子たちはできる子だ』と思って接していたからだ」と。
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これは社員に対しても同じことがいえます。
上司(経営者)が
「ウチの社員は意欲がないし、考えが浅いんだよね」
と評価していたら、社員はそのようになるし、
「ウチの社員は努力してるし、可能性に満ちている」
と評価していたら、可能性が開花していきます。
今の時点では、経営者が求めるレベルではないかもしれません。
ですが、「だからこいつらはダメなんだ」と評価するのか、
「だけど彼らはきっと成長してくれる」と信じるのか。
社員に対して大きな影響力のある上司・経営者が
圧倒的に信じることで、社員の可能性が開花するのであれば、
信じてみてもいいのではないでしょうか?
(この話には「信じる」と「期待する」の話がついてくるんですが、
それはまた別の機会に)
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拙著にも書いたんですが、ピグマリオン効果の実験には
「別の人がやったら再現性がなかった」のように
賛否両論あったりするんですが、
コーチングしている実感では、やはり
クライアントを圧倒的に信じている方が、
クライアントさんの成長や成果が大きくなる実感があります。
なにより、せっかく一緒に働く社員ですから、
前向きな気持ちで仕事したいよね、というのが私の考えです。
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