人材育成 コーチング

社長が怖くて社員が辞めてしまった、という話

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先日、ある建築業界の社長さんの話を聞きました。

許可をいただいていないので、詳細は言えませんが、
このお話の中に、人材に関する重要なポイントがあったので、
少しだけご紹介します。
 

建築業というのは、今慢性的に人手不足です。

オリンピックの影響か、職人さんを確保するのが難しいのに加えて、
若い人が大工さんや鳶職、左官屋さんなどになりたがらない。

若い人がいなくて、ベテランは引く手あまた。
なかなか人材が確保できず、これが建築業界の悩みなのだとか。
 

そんな中、先日話を聞いたN社長の会社では、
頑張って若手を採用しているのですが、
こんなことがあったんだそうです。

「若い人に、私が話しかけると、怖がられるんですよ。
 どうも、怒られたと思ったらしくて」
「それで、しばらくすると辞めちゃうんですよね。
 別にこっちは、怒ってるわけじゃないんだけど…」

そう、社長が話しかけると、怒られたと思って怖がってしまい、
若い人はそれが積み重なって、辞めてしまうんだというのです。

ですが、社長は別に怒っているわけではなく、
普通に話しかけただけなんです。
 

この状況、いったい何が起こっているのでしょうか?
 

この話を聞いたとき、私は両方の事情がよくわかりました。

というのも、私自身、実家が電器屋をしていて、
新築の電気工事などで大工さんなどの職人さんと接していたからです。
 

建築業などの職人さんは、技術を磨いて体を使う仕事です。
そして、良くいえば男らしい、悪くいうと荒っぽい人が多かったりします。

話してみると、気さくでいい人が多いんですが、
上品な言葉遣いなどはあまりせず、
人を呼ぶときに「おい!」などと呼ぶこともあります。

Nさんも同じで、現場で若い社員さんを呼ぶとき、
「おい!」と声をかけるのが普通なんだそうで。
 

一方、今の若い人は、叱られたり怒られたりする経験が少なく、
ましてや「おい!」なんて呼ばれることも少ないそうです。

「おい!」と声をかけるのは、生活指導のいかつい先生か、
街で絡んでくる不良か、というくらいでしょう。
(今じゃ、あまりカツアゲする不良もいないんでしょうね)

つまり、若い新入社員にとって「おい!」と声をかけられるのは
日常ではほとんどなく、怒られるときだけ、なわけです。

だから、N社長がなにげなく、若い社員に「おい!」と声を掛けると、
社員は「怒られた!」と思って萎縮してしまう。

そういう怖い思いをしているうちに、嫌になって辞めてしまう、
ということがあったのだとか。
 

では、この若い社員が辞めないためには、どうすればよかったのでしょうか?

もちろん、社長や先輩たちが「おい!」と言わず、
「〇〇くん」と優しく話しかければ、少なくとも
声をかけられて怖がることはないでしょう。

ですが、職人さんたちは長年そのような言葉遣いをしてきたわけですし、
危険な建築現場では、丁寧な言葉で言っていられないこともあります。

上から物が落ちてきそうなときは、
「おい、危ない!」と言わなければいけません。
 

そこで、一つの対策として、
「自分たちは現場で「おい!」と言うことがあるけど、
 別に怒っているわけじゃなく、君のことを否定しているわけでもないよ」
「職人さんの中には荒っぽい言葉を使う人もいるけど、
 君が悪いのではなく、仕事上必要があってそうしているんだよ」
というように、事前に教えておくといいでしょう。

そもそも、違う世代の社員さんは、違う文化・違う価値観を持っています。
同じ日本で育った同士でも、それぞれ違う考え方を持っているのです。

「怒っているわけじゃないのは、言わなくてもわかるだろう」
ではなく、
「怒っていないよ、と伝えないとわからない」
のです。
 

日本には「察する」文化があって、それはとてもいい文化だと思いますが、
言わなければわからないことのほうが多いです。

特に、違う世代や違う教育、違う背景で育った人同士では、
そもそもの文化や考え方が違います。
そうなると、想像もつかない世界ですから、察するのは大変難しいです。

「私はこう思っている」ということを伝えること。
「あなたはどう思っているの?」と耳を傾けること。

当たり前のことですが、改めて見直してみませんか?
 

★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント

「怒ってるわけじゃなく、そういう文化なのだ」と教えておこう


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