先日、ある団体のリーダーの方とお話ししたんです。
その方(Hさん)は情に厚い方で、
団体のメンバーのことを思いやり、みんなが満足するようにしたい、
ということで、あれこれ思い悩んでいるようでした。
「本当は、みんなが腹を割って話せるような団体にしたいんです。
そこを重視して運営していきたいんですけどね。
だけど、そういうのが嫌で、もっとノウハウを学びたい人とか
もっとドライな関係がいい、って人もいるかもしれないし、
そう思うと、あまり個人的なところに踏み込むのも…」
Hさんの場合は有志の団体なので、企業とはちょっと違いますが、
会社でも似たような悩みを持つ人はいたりします。
社長としては積極的に新しいことに挑戦したいけど、
幹部の中に慎重派がいるから、その人が反対するかもしれない。
社長としては飲み会や懇親会をどんどん開きたいけど、
最近の若い人は会社の飲み会を嫌がっているらしい。
組織はみんなが同じ考えではありませんから、
反対する人や意見の違う人は必ずいるものですよね。
そういう人の気持ちを蔑ろにしては、気持ちが離れてしまいますから、
配慮していきたいというのは素晴らしいことだと思います。
ですが反面、「いろいろな人の気持ちに配慮する」ということは
「何も決められない」ということにもなりがちです。
全ての人が賛成するアイディア、何てものは存在せず、
世の中には唯一絶対の正解なんてないわけです。
何かを決めれば、賛成する人も反対する人もいる。
だから、反対する人の気持ちに配慮していると
どのアイディアも「やめた方がいい」となりかねないんです。
「Hさんはリーダーなんですから、
『俺はこうしたいんだ。みんな協力してくれ』
でいいんじゃないですか?
みんなが100%納得する案なんてないし、
みんなにとって無難だと、方針がわからなくて
かえって皆さんが混乱してしまいますよ」
「うーん、そうかぁ… ○○さんにも似たようなことを言われたんですよね」
「Hさんが皆さんを思う気持ちが強いのはわかりますし、
そういうところも含めてお伝えになれば、
そんなに強く拒否されることはないと思いますよ。
それに、『こうしたい』という強い意志を示すと、
それに賛同する人が集まって、協力してくれたりします。
それが組織のカラーになっていくんだと思いますよ」
みんなを思いやるHさんだからこそ、その場で決めきれない様子でしたが、
なんとなく、「自分はこうしたい」を示していくことへの
抵抗感は和らいだような感じはしました。
リーダーの立場は、様々なメンバーの考えを考慮して
物事を決める必要があります。
みんなの意見を無視してワガママに突き進むわけにはいきません。
一方で、誰にも反対されない、みんなが100%満足する、
という考えは、何も決めることができなくなります。
右に行くか左に行くかは、最後はリーダーの決断になります。
みんなの考えを理解し、尊重しつつ、自分の方針を決めて示す。
一見すると相反することをやっていかなければならないので
リーダーは難しい立場です。
それでも強い意志で決断していくことで、メンバーに道を示し、
「一人ではたどり着けない領域」まで進むことができるのは
リーダーの特権でもあると思います。
勇気のいることではありますが、
「自分はこうしたい。みんな協力してくれ」
と言えるリーダーを目指していきたいものですね。
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