多くの人は、仕事に対して前向きに取り組んでいると思いますが、
ときどき「やる気が出ない」「モチベーションが低い」
という状態になることもありますよね。
モチベーションが上がらない理由にはいろいろあって、
単なる体調不良のこともあれば
アンダーマイニング効果のように、好きなことで報酬をもらったら
「報酬のためにやる」に動機がすり替わってしまう、というような
ちょっと複雑なものもあります。
その中で、多くの人が見落としがち、というか
あまり気にかけない要素があるのでご紹介してみようと思います。
先日、クライアントのＭさんと話していたときのこと。
Ｍさんは「1年間目標達成プログラム」の最中です。
なので、初回にこってりと、やりたいことを明確にしており、
そのために頑張っていらっしゃるんですが、
どうも、ある分野について話すと、モチベーションが弱いというか、
あまり積極性や情熱を感じにくくなるんです。
その分野というのが、「営業」。
Ｍさんは営業に関して苦手意識があり、
アポイントやプレゼンなどにも緊張を感じてしまうんです。
なので、資料作りやプログラムを考えるなどの行動は
けっこう一生懸命に、前向きに話が進むんですが、
アポイント取得のために連絡するとか、
自分のサービスをお勧めするということに関しては
本来の前向きな姿勢が発揮されにくい。
つまり、モチベーションが下がりがちになるんです。
では、Ｍさんのモチベーションが下がってしまう原因は何なのか？
当然、営業に対して苦手意識があることが原因なわけですが、
これをもう一段深めて考えると、
【恐怖心】
というのが、本質的なモチベーション低下の原因です。
「苦手意識」と似たような意味なんですが、
たとえば苦手であっても前向きに取り組めることってありますし、
得意でなくても好きなことならモチベーションが上がることもあります。
実は、「苦手」であることよりも重要なのが
【恐怖】の感情なんです。
アンソニー・ロビンスによると、
「人の行動を止める唯一のものは【恐怖心】である」
とされています。
人は本能的に【恐い】ことに対しては、
行動を止めてしまうんです。
恐怖心はもともと悪いものではありません。
恐怖心がなかったら、躊躇なくコードレス・バンジーを飛んでしまい
そのまま命を落としてしまうわけで、
無謀な行動は、恐怖心で止めなければなりません。
恐怖心は自分の身の安全を守るために、必須の感情です。
ただ、よくよく考えればたいして恐くもないことに対して
恐怖を感じてしまうとしたら、それはちょっと問題です。
たとえば営業することに恐怖を感じてしまう場合を考えても、
別に営業したって命まで取られることはありませんよね。
せいぜい、怒鳴られるとか水をかけられるとか、そのくらいです。
めっちゃ嫌ですけど、危険ではありません。
だけど、
嫌われるのが恐い
怒られるのが恐い
間違えるのが恐い
いらないと言われるのが恐い
上手に営業トークができないのが恐い
自分の商品に価値がないと実感するのが恐い
のように、精神的な痛みを感じることに恐怖が出てきてしまう。
これが、
「やるべきだとわかっているし、やる理由も明確なのに
なかなかやる気になれない」
という場合の、モチベーション低下の理由の一つです。
もちろん、モチベーションは心理的なものですので
一概にすべてがこうだと言えるものではありませんが、
多くの場合、何かを恐れていると
モチベーションが下がったように感じてしまいます。
ですから、十分なモチベーションがあるはずなのに
なぜか行動できない、なぜかやる気になれない、という場合は
「自分は何を恐れているんだろう？」
ということを自問してみると、何かに気づくことができるかもしれません。
あ、ちなみに、Ｍさんは恐怖心をきちんと自覚した上で
それを乗り越え、着実に行動を積み重ねています。
最初の目標達成まで、もう少し、というところまで来ています。
「ビビってるんです」と言いながらも努力する姿勢は
私も見習っていきたいと思っています。
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