【この記事のポイント】
- 「思い込みの書き換え」がうまくいかないのは、技法の問題ではなく、本人がその思い込みを無意識に気に入っていることが原因かもしれません。
- 無理に思い込み自体を捨てようとすると、潜在意識が「変化は危険だ」と判断し、強く抵抗してしまいます。
- 有効な上級テクニックは、思い込み自体は受け入れ、その思い込みの「言葉の定義」を自分にとって都合の良いものに変えるアプローチです。
- 【実例】「人生=修行」を変えられなかった筆者が、「修行=楽しいもの」と定義を変えたことで人生が好転した体験談を詳しく解説します。
なぜ強力な「思い込みの書き換え」が機能しないのか?
ここ数年、「ビリーフ(信念)の書き換え」や「思い込みを見直す」といった自己変革の手法が広く知られるようになりました。私自身も世界的なコーチであるアンソニー・ロビンスの技法をベースにしており、多くの方が不要な思い込みを手放すことで、素晴らしい結果を出しています。
人生を左右する「ビリーフチェンジ」とは
例えば、こんな思い込みはありませんか?
- 「恋愛とは、いつか傷つくものだ」
- 「お金とは、苦労して稼ぐものだ」
- 「仕事とは、我慢の対価である」
このような無意識の「思い込み(ビリーフ)」は、私たちの行動や判断を自動的にコントロールし、その通りの現実を引き寄せます。この根本的なプログラムを書き換えることで、人生を劇的に変えるのが「ビリーフチェンジ」です。
書き換わらない・元に戻る…その根本的な原因
しかし、このパワフルな技術が、時として【うまく機能しない】ことがあります。「技法を試したけど、まったく変わらない」「その場では変わった気がしたのに、数日経つと元に戻ってしまう」といったケースです。一体なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
【筆者の体験談】「人生とは修行である」が手放せなかった日々
実は、私自身がこの「うまく機能しない」状態を経験しました。私の持っていた思い込みは「人生とは修行である」というものでした。
セルフコーチングの失敗と辛い現実
この思い込みのせいで、私の人生には常に修行のような大変な出来事が起こりました。一つ大きな契約が決まっても、その数日後には病院の駐車場でアウディにバンパーを擦ってしまい、売上のほとんどが修理費に消える…といった具合です(実話です)。
私はセルフコーチングでこの思い込みに気づき、「よし、これを書き換えよう!」と、いつもの技法を試しました。「人生はゲームのようなもの」「人生は遊びだ」と新たな「人生観」を作りましたが、まったく心が動きません。感情が伴わず、すぐに「そうは言っても、やっぱり人生は修行だよな」という考えに引き戻されてしまうのです。
変わらない本当の理由:その「思い込み」を本人が気に入っていた
なぜ変わらなかったのか?今なら明確に分かります。
当時の私は、心の底で「人生とは修行である」という考えを気に入っていたのです。
修行を通して自分を磨き、成長することに快感を覚え、それこそが人生の目的だとさえ信じていました。本人が望まない変化を、潜在意識が受け入れるはずがありません。これが、ビリーフチェンジが機能しない最大の理由です。
プロが使う上級テクニック:思い込みの「定義」を変える
しかし、辛いことばかり起こる現状は変えたい。このジレンマをどう乗り越えたのか?
ここで私が使ったのが、思い込み自体ではなく、その「定義」にアプローチする一歩踏み込んだテクニックです。
ステップ1:変えられない「思い込み」を一度受け入れる
まず、「人生とは修行である」という思い込みを無理に変えるのをやめました。「そうか、自分は修行するような生き方がしたいんだな」と、その価値観を一旦、完全に受け入れます。
ステップ2:「その思い込みの言葉(修行)とは何か?」を問う
次に、自分にこう問いかけました。
「では、自分にとって『修行』とは、具体的にどういうものか?」
すると、こんな答えが出てきました。
「修行とは、辛いことに耐えて乗り越えることで自分を成長させるものだ」
この答えが出た瞬間、思わず笑ってしまいました。「人生=修行」「修行=辛いことに耐えること」ならば、人生が辛いことの連続になるのは当然です。原因は「人生観」ではなく、「修行観」にあったのです。
ステップ3:新しい「定義」をインストールする
「人生は修行である」という土台は変えなくていい。でも、「修行は辛いもの」という定義は変えてもいいはずです。
そこで、私は『ドラゴンボール』の孫悟空をイメージしました。彼は修行を「辛いもの」ではなく、「強くなれるワクワクする楽しいもの」と捉えています。
このイメージを元に、私は「修行」の定義を次のように書き換えました。
「修行とは、楽しいことに夢中になっていたら、知らないうちに成長しているもの」
この新しい定義が腑に落ちた瞬間から、私の現実は劇的に変わりました。辛い修行は起こらなくなり、代わりに楽しい挑戦や成長の機会、素晴らしい人とのご縁に恵まれるようになったのです。
まとめ:手法に縛られず、自分の枠を広げ続けることが重要
技法やノウハウがうまくいかない時、「このやり方はダメだ」と諦めるのは簡単です。しかし、本当に大切なのは、「なぜうまくいかないのか?」とその背景や構造を深く考え、「どうすれば効果が出るのか?」と使い方を工夫してみることです。
これはコーチングに限らず、ビジネスや人間関係など、あらゆる場面で言えることだと思います。常に自分の枠を疑い、新しい視点やアプローチを試す勇気を持ち続けたいものですね(自戒を込めて)。
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