【この記事のポイント】
- 自己啓発やビジネス書で語られる「良い習慣(トイレ掃除など)」を実践しても、必ずしも成果が出るとは限りません。
- その原因は、そのノウハウが「あなたの問題の本当の原因」と合っていないから。問題解決には、万能薬ではなく個別の正しい「診断」が不可欠です。
- 【実例】「トイレ掃除より父親への感謝が重要だった」という経営者の話や、「商品コンセプトではなく営業不足が原因だった」という相談事例を紹介します。
- もし努力が空回りしていると感じたら、「もっと頑張る」のではなく、一度立ち止まり「診断からやり直す」という視点がブレイクスルーの鍵となります。
「トイレ掃除をすれば業績が上がる」は本当か?
ビジネス書やセミナーで、「業績を上げたければ、まずトイレ掃除をしなさい」という教えを耳にしたことはありませんか?
【体験談】ある勉強会で語られていた「トイレ掃除の教え」
今から10年以上前、私が参加していた経営者の勉強会でも、この「トイレ掃除」の重要性が繰り返し語られていました。そこは経営戦略や営業手法ではなく、「先に与える」「感謝を忘れない」といった経営者の「在り方」を学ぶ場でした。
「トイレ掃除を始めたら、社員の意識が変わり、会社のピンチを脱出できた」
「成功していない会社は、決まってトイレが汚い」
といった事例が紹介されるのですが、当時の私には、その繋がりがよく理解できませんでした。
(今思えば、「誰もが嫌がる仕事への姿勢が、ビジネス全体に反映される」といった意味なのだろうと分かります)
【衝撃の一言】「トイレ掃除をしても業績は変わりませんでした」
そんなある日、勉強会に登壇したある先生が、当たり前とされていたその教えを、真っ向から否定するような発言をしたのです。
「皆さんトイレ掃除と言いますが、私は効果ありませんでしたよ。トイレ掃除をしたら、トイレはきれいになりました。でも、業績は変わりませんでした」
会場がざわついたのを覚えています。「え、トイレ掃除は意味ないってこと?」と私も驚きました。
その先生にとっての「本当の原因」
先生は、続けてこう言いました。
「もちろん、トイレ掃除が必要な人もいます。そういう人は、掃除をすれば会社が良くなるでしょう。しかし、私の場合、うまくいかなかった原因はトイレではなく、親との関係だったんです。だから私にとっては、トイレ掃除ではなく、父親に感謝を伝えることが重要でした」
万能な解決策は存在しないという真実
そして、先生は私たちにこう語りかけました。
「世の中には『トイレ掃除をしろ』『挨拶をしろ』『感謝を伝えろ』など、たくさんの“良いこと”があります。それはどれも素晴らしいことですが、どれが自分にとって本当に有効かは、人によって全く違うのです。自分の状況に合わないことを一生懸命やっても、的外れな努力になってしまいます」
この話は、私の心に深く刻まれました。世の中で「良い」とされているノウハウや解決策は、それ自体は正しくても、「その方法が今の自分に合っているか」は別問題なのです。
なぜ、あなたの努力は成果に結びつかないのか?
この「的外れな努力」は、非常によく起こります。セミナーで聞いた話を実践してみるものの、講師が語ったような成果は一向に出ない。そしてまた、別の方法を探し求めて彷徨う…。私は、そうした「ノウハウ迷子」の方々の相談に、これまで何度も乗ってきました。
【事例】問題は「商品コンセプト」ではなく「行動量」だった
例えば、「売上が上がらないのは、きっと商品コンセプトが悪いんです」と悩んでいた方がいました。しかし、詳しくお話を伺っていくと、問題はまったく別の場所にありました。
単に、営業している件数が圧倒的に少なすぎただけだったのです。
彼は素晴らしいコンセプトを練り直すことに時間を費やすのではなく、まず一件でも多くお客様に会いに行くべきでした。
努力の前に「正しい診断」を。セカンドオピニオンの重要性
もし、あなたが「いろいろ試しているのに、一向に改善しない」と感じているなら、今必要なのは「もっと頑張る」ことではないのかもしれません。
それは、「診断からやり直す」ということです。
自分が「これが原因だ」と信じている前提を、一度「本当にそうだろうか?」「もしかしたら、全く違う場所に原因があるのではないか?」と疑ってみる。そして、客観的な視点を取り入れて、問題の根本原因を正しく見極める。このプロセスこそが、停滞した状況を打破する鍵となります。
まとめ:多様な視点で、自分だけの答えを見つける
自分の思い込みだけで原因を特定しようとすると、どうしても視野が狭くなります。そんな時、「セカンドオピニオン」として第三者の視点を入れることは非常に有効です。
特に私たちコーチは、コンサルタントのように「これが正解です」と教えることはしません。その代わりに、多様な視点からの質問を投げかけることで、あなた自身が「これだ!」と心から納得できる「自分だけの答え」を見つけ出すお手伝いをします。
たった1回の面談で、長年の思い込みが外れ、進むべき道がクリアになることも少なくありません。もしあなたが今、袋小路に入り込んでいると感じるなら、ぜひ一度、その扉を開けに来てください。
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