この記事のポイント
- 商品やサービスの機能・品質だけでは、もはや大きな差別化はできない時代になっています。
- これからの購買行動の決め手は、「何を買うか(What)」よりも「誰から買うか(Who)」という信頼関係が重要になります。
- 日頃からの情報発信を通じて、自身の価値観や専門性に対する「信頼」を地道に蓄積することが不可欠です。
- 「あなただから買う」という関係性を築くことこそが、価格競争から脱却し、他社が追随できない最強の差別化を実現します。
【告白】私が、怪しい「情報商材」を“即買い”してしまった話
先日、実に5年ぶりくらいに、いわゆる「情報商材」を購入しました。
情報商材とは、役に立つノウハウをまとめたPDFなどの電子ファイルを商品として販売しているもので、10年以上前からインターネット上で、形式を変えて売られています。しかし、ご存知の通り、その多くは「誰でも簡単に大成功できる」といった甘い言葉で煽るだけで、中身は再現性のない詐欺まがいのものがほとんど。私も業界の裏側をよく知っているため、ここ数年はその手のセールスページを見向きもしませんでした。
それなのに、です。先日、あるネットビジネス指導者の方の教材を、私はセールスページをほとんど読むことなく、「即買い」してしまったのです。
普段は疑り深い私が、なぜそんな行動を取ったのか。この時の私の行動に、これからのビジネスの本質が隠されていました。
購入の決め手は「商品」ではなく「人」だった
私がなぜ、一般書籍の20倍はする高額な情報商材を、カタログも読まずに買うような真似をしたのか。その理由は、たった一つです。
「その販売者が、普段から信頼できる情報を発信していたから」
私は以前から、その販売者の方をSNSでフォローしていました。彼の発信する情報は、多くの情報商材屋さんのように甘い夢を見させるものではなく、常に理にかなっていて、地に足のついた厳しいものでした。「そんなに簡単に成功なんかしない。ちゃんと努力しなさい」と一貫して主張するその姿勢に、私は「この人は、まともだ」という強い信頼感を抱いていたのです。(まとも、というのも失礼な話ですが 笑)
ですから、彼が新しい教材を販売すると知ったとき、そしてそのテーマが自分に必要なものだと分かったとき、私はもう迷いませんでした。セールスページに書かれているであろうメリットやお客様の声、成功の証拠といった情報を一切確認することなく、値段だけを見て、購入ボタンを押していたのです。
これからの時代の購買基準:「何を言うか」より「誰が言うか」
決済を終えた後、私は自分自身の行動に驚くと同時に、深く納得しました。「ああ、やはりビジネスは『何を言うか』ではなく『誰が言うか』なのだな」と。
私がその教材を買った理由は、「その人の商品だから」です。購入の決め手は、商品のスペック(What)ではなく、販売者の人となり(Who)だったのです。
この傾向は、情報化が進むこれから、あらゆる業界でさらに加速していくと私は確信しています。なぜなら、インターネットで情報が民主化された現代において、商品やサービスの機能や品質だけで、他社と大きな差別化を図ることは、もはや不可能に近いからです。
「あなただから買う」と言われるための、最強の差別化戦略
では、そんな時代に、私たちビジネスパーソンはどうすればいいのでしょうか。答えは、私の今回の行動の中にあります。
それは、オンライン・オフラインを問わず、自分という人間、あるいは自社の価値観や哲学を、日頃から発信し続け、見込み客との間に信頼関係を築き、ファンになっていただく努力をすることです。
「〇〇さんが言うなら、間違いないから買うよ」
「細かい商品説明はいいよ。あなたに全部お任せする」
こう言ってもらえる関係性を築くこと。これこそが、他社が絶対に真似できない、究極の差別化であり、価格競争に巻き込まれない唯一の道なのです。「あなただから」は、最強の購買理由に他なりません。
まとめ:あなたは「自分」という商品を、売っていますか?
あなたのビジネスは、「何」を売っていますか?それとも、「誰」が売っていますか?
お客様が最終的に選ぶのは、商品そのものではなく、その商品を提供している「あなた」です。ぜひ、日々の活動を通じて、あなた自身の価値観や魅力を、広く発信し続けてみてください。
この記事を書いた専門家
中城 卓哉(なかしろ たくや)
パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ
「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。
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