★営業で「ウチは困ってないよ」と言われたら、どうする?
私、ときどきですが、営業職の方のコーチングをすることがあります。
一時期は営業の方に特化してコーチしていたこともあり、
営業のメンタルに加えて、基本的な営業の方法についても
コーチングの中でお伝えすることもありました。
今日は、その中で1つ、すぐに使えそうな方法をご紹介します。
営業の方からよく聞くお悩みの一つに
「営業はお客さんのお困りごとに対して解決策を提示すること。
だけど、お客さんが困っていないので、提案できない」
というものがあります。
「体型や体重のことで悩んでいる人にダイエット商品」
「将来のお金や病気で心配な人に生命保険」
「煩雑な報告書の処理で困っている人に業務効率化システム」
のように、お客さまの困りごとや問題点をヒアリングして、
その解決策として自社の商品をおすすめするのが営業の仕事です。
それなのに、
「最近ダイエットに成功して、毎日調子がいいんですよ」
「最近保険を見直して、ライフプランにぴったりのものにしたんです」
「報告書は全部システム化してあるから、手間がかからないんです」
と、お客さまに問題がない場合、解決策が必要ないので
どう営業すればいいかわからない、というんです。
さて、お客さまが困っていないとき、営業はどうしたらいいんでしょうか?
この辺は営業マンの性格やスタンス、価値観によって変わりますが、
私の意見としては、
「困ってない、必要ないなら、売らない」
というのが答えです。
そもそも、困っていないことの解決策を提示したって
困っていないんだから必要ないわけです。
お腹がいっぱいの人にラーメンを売っても意味がないですから、
提案はしないし、買ってくれと頼むこともありません。
あと、「本当は困ってるんでしょ?」というように
現状のアラを探したり問題をほじくり返そうとする人がいますが、
困ってない人にそんなことをしたら、
「いらないって言ってるのにしつこいな」
と思われて心が閉じてしまうので、逆効果になります。
では、「じゃあ、必要ないですね。さようなら」とするのかというと、
それもまたもったいないですから、
別のアプローチをしていきます。
そのアプローチというのは、
「素晴らしいですね。どうやってそんなにうまくいったんですか?」
「すごいですね。なぜその問題を解決できたんですか?」
と、お客さまがうまくいった理由や方法を訊く
というものです。
これは、3つの意味で有効です。
1つは、「お客さまの重要感が、自然に満たされる」ということ。
自分がうまくいった過程や問題を解決できた理由を聞かれ、
それを話すのって、けっこう気持ちがいいんです。
「実は○○をしたらうまくいったんですよ」
「××の点で苦労したけど、△△をして乗り越えられたんですよ」
こういう話を真摯に聞いて、相づちを打ち、学ばせてもらうと、
お客さまとしては自分が重要な、すごい人だと感じられる。
そうやって、プラスの感情を持ってもらうというのが一つ目です。
2つめは、「別のお客さまへの営業トークに使える」ということです。
同じような問題で悩んでいる人に、
「私のお客さんで、○○してうまくいった方がいましたよ」
「知り合いの例だと、××は△△で乗り越えられるみたいですよ」
と、情報提供できる。そのネタをいただける。
目の前のお客さんにはすぐにセールスできなくても、
別のお客さんに情報提供することで「頼りになる」「専門家だ」と
思ってもらえるトークのネタが増えるじゃないですか。
そして3つめ。
3つめは、「話すことで潜在的な問題点を、お客さまが自分で発見する」
ということです。
全部の人がそうだということではありませんが、
たまに
「表面的には解決してるけど、本質は解決していない」
「ある問題は解決したけど、別の問題は依然として残っている」
という場合があるんですね。
これを、セールスする側が指摘すると、
「売らんがために難癖をつけている」と思われやすいのですが、
自分が話している中で自分で気づくと、
「あれ、うまくいったと思ったけど、○○が問題だったな」と
お客さんが「課題」を認識できるんです。
「ダイエットには成功したんだけど、甘いものが食べられなくて辛い」
「ライフプランにぴったりの保険だけど、保険料の負担が上がった」
「報告書のシステムを入れたけど、使いこなせない社員がいる」
実際はこんな単純ではないでしょうけど、
ともかく、次の不満・次の課題を、話しながら見つけてしまうんです。
お客さんが「これは課題だな」と認識したところで、
「そういう課題があるんですね。
それは○○を解決したからこそ見つかった課題ですね。
ご自分で解決できそうですか? お手伝いが必要ですか?」
というように、自分の商品やサービスが必要かどうか尋ね、
必要ならそのまま、詳細のヒアリングや提案をすればいい。
こんなふうに、「相手のことを教えてもらう」というのは
コーチングの中では基本で、かつ重要なポイントです。
コーチでも、たまに
「相手を変えてやろう」「こっちの答えに誘導しよう」という人がいますが、
それをやると相手は心を閉ざし、本音を隠し、距離を取ろうとします。
心から興味を持って相手のことを聴く。
いい点は全力で承認する。
さらに相手が良くなる手伝いができるなら、それを提案する。
コーチングでも営業でも、根本はコミュニケーションです。
「相手が良くなるために」関われる姿勢を持ち続けたいものですね。
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