★一人治療して300円→8,000円に値上げできた理由とは?
ビジネスをする上で、価格ってすごく重要じゃないですか。
安すぎると利益が出ない、高すぎるとそもそも売れない。
「ちょうどいい」価格を決めるのって、難しいですよね。
私も値付けには未だに悩むことがあります。
かつてコーチングしたTさんも、価格で悩んでいた一人。
Tさんは一人で接骨院をやっていました。
ひとり接骨院ですから、もちろん自分で患者さんを治療します。
ひとり接骨院ですから、治療以外の事務やチラシ配りなども自分でやります。
人件費がかからないといえばいいですが、全部自分でやるので
めっちゃくちゃ忙しくて、寝る間もないくらいだったそうです。
それだけ忙しく働いていたわけですから、さぞ儲かっているだろうと思ったら、
全然そんなことはなくて(本人談)、
治療院の家賃に諸経費、生活費を引いたらほとんど残らない状態。
それでも生活できているんだから良いじゃないか、とも言えますが、
朝から晩まで休みなく16時間働いて、それでその状態ですから
これを毎日続けていたら「しんどい」わけです。
「いつまでこの生活を続けるんだろう?」
「もう少し年齢が上がったら、こんなに動けない…」
Tさんはそんな先の見えない不安で苦しんでいました。
なぜ、こんなに忙しいのに儲からないのか?
その理由こそ、「価格」だったんです。
Tさんの接骨院は保険診療で治療していました。
保険診療とは、健康保険を使って安く治療を受けられるというもので、
患者さんが払うお金は1回300円程度です。
その後、国だか健康保険協会だかに申請することで
追加のお金を受け取れるらしいんですが、
保険診療はもともとの単価が安く、料金が制限されているため、
1回の施術で得られる売上は、せいぜい1,000円前後にしかならないんだそうです。
経費を引いたら、ほとんど利益は残りません。
「それじゃ、値段を上げればいいじゃん?」
そう思う人も多いと思います。
Tさんもそれはよーくわかっていました。
なにせ初回のコーチングで、
「値段を上げればいいんですよね。
○○して××すれば上げられますし、その方法もわかってるんです」
「…あれ? わかってるならやれって話ですよね?
なんでやってなかったんだろう?」
という会話が3回くらい繰り返されたくらいですから。
その当時から、治療院のマーケティングでは
「付加価値を高めて価格を上げる」
「そのために自費診療を取り入れる」
というのはメジャーな方法だったようです。
Tさんも、当然それはわかっていて、自費診療を取り入れて値上げをして、
高い利益率で経営したいと思っていました。
だけど、それができないでいた。
なぜできないのか、コーチングしていくと、
「値上げをすると患者さんが来なくなる」
「値上げをすると悪評が立つ」
ということを怖れていることがわかりました。
悪評が立たないように値上げする方法も知っていたし、
値段を上げても患者さんが集まるマーケティングも知っていた。
だけど、「恐怖心」があったおかげで、その方法を実行できずにいたのです。
原因がわかれば、対処は簡単です。
恐怖心の根源にある「考え方」を一つひとつ紐解いていきます。
「他人からどう思われるかを気にする」
「誰の目から見てもいい人でないといけない」
「人から否定・非難されるようなことはしてはいけない」
この考え方を随時言語化し、改めて見直してもらいました。
「誰の目から見てもいい人って、どうやっても無理ですね」
「人から否定されてはいけないって、自分ではどうしようもないですね」
こうやって、Tさん自身がご自分の考え方を再評価することで
「恐怖心」が単なる思い込みだったことに気づいていきました。
そして、恐怖心がなくなってくると、
たくさんの患者さんを集めることも、治療の単価を上げることも、
自分に合わない患者さんを断ることも、
ためらうことなくできるようになっていきました。
(もちろん、摩擦を生まない戦略を作った上で、ですが)
そして、コーチングが終了して1年もしないうちに、
自費診療(健康保険を使わず10割負担で受ける治療)に変わり、
診療単価は8,000円になりました。
つまり、同じ時間の稼働で客単価が300円→8,000円になったというわけです。
当然、利益率は大きく上がり、経営にもご自身にも余裕ができました。
「5〜60%の稼働で、前の2倍以上の売上が上がります。
利益も残るようになったので、生活にも余裕を持てるようになりました」
とTさん。
多くの人が、「値段は安くないといけない」という思い込みによって
不当に安い価格で商品やサービスを提供しています。
「安いのはいいことだ」という考えは顧客側にもあるので、
そういう顧客から否定されるのが怖くて、高い価格を提示できない、
という人も多いです。
ですが、それでは自分や自社がすり減っていってしまいます。
個人事業でも自分がどんどんしんどくなっていくし、
社員がいれば社員に給料で報いることもできません。
正しく適正な利益をいただくことは、何も悪いことではなく、
むしろちゃんと値上げをしてサービスを継続しないといけません。
それを、ほとんどの人はわかってはいる。
だけど、感情がそれを妨げてしまう。
こういう例は、Tさんだけでなく、かなり多いです。
誰でも、否定されるのは怖いし、文句は言われたくない。
いい人だと思われたいし、嫌われるのは嫌です。
だけど、それで自分を犠牲にするのは違います。
ちゃんと価値に見合った利益をいただき、それ以上に満足してもらう。
そっちの方向で考えていくことが、
特に我々のような中小企業には必須だと思います。
ぜひ、Tさんの例を「価格」「利益」を考え直す参考にしてみてください。
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