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【夢を描くのが苦手なあなたへ】漠然とした未来を具体化する「分解思考」のススメ

nikubui_usi

この記事のポイント

  • 「理想の未来が描けない」のは、あなたの能力の問題ではなく、単に「未来について考えることに慣れていない」だけであることがほとんどです。
  • 「10年後の夢は?」のような漠然とした大きな質問は、思考のフックがなく、かえって答えを出しにくくしてしまいます。
  • 解決策は、大きな「夢」というテーマを、「売上」「顧客」「仕事内容」といった具体的なカテゴリに細分化(分解)して考えることです。
  • 大きな問いを具体的な小さな問いに分解することで、誰でも無理なく、そして楽しく未来を描き始めることができます。

「10年後の夢は?」その質問に、フリーズしていませんか?

「10年後、どうなっていたいですか?」
「あなたの夢やビジョンを教えてください」

こういった質問をされて、頭が真っ白になってしまった経験はありませんか?

先日、ある経営者向けの勉強会で参加者の皆さんに「夢やビジョン」を描いてもらうワークを行ったのですが、事前の打ち合わせで、担当者の方からこんな懸念を伝えられていました。

「うちの社員は、コーチングなどにはあまり慣れていないので、いきなり夢を聞いても、戸惑ってしまうかもしれません」

そうなんです。「夢を描けない」理由の多くは、その人の想像力や意欲が足りないからではありません。ただ単純に、普段からそういったことを「考えることに慣れていない」、ただそれだけという人も多いのです。

日々、目の前の問題や課題、タスクの処理に追われていると、私たちの意識は自然と「今、ここにある問題」に向きっぱなしになります。そんな状態で、いきなり「10年後の理想は?」と聞かれても、脳がすぐに対応できないのは当然のことなんですよね。

なぜ漠然とした質問では、夢を描けないのか?

残念ながら、世の中にある多くの成功本やセミナーでは、この点にあまり配慮がありません。質の高くないものだと、いきなり「10年後、どうなりたいですか?」という、非常に漠然とした質問を投げかけるだけです。

そして、そのアプローチしか持っていないため、慣れていない人は「うーん…何も出てこない…」と黙り込んでしまう。その結果、「自分は夢を描けない人間なんだ」という、間違った自己評価をしてしまい、それ以来、未来を考えることに苦手意識を持ってしまう…という、悲しい悪循環に陥ってしまうのです。

そうじゃありません。あなたが悪いのではなく、質問の仕方が悪いのです。もっとやりやすく、考えるハードルをぐっと下げてあげれば、誰でも未来を描くことはできます。

【ご相談の事例】セミナーで実践した「夢の分解思考」

そこで、先日のセミナーで私が実際にやったのは、「夢」という大きなテーマを、いくつかの具体的なカテゴリに細分化して、それぞれについて考えてもらう、というアプローチでした。

いきなり「夢は何ですか?」と聞くのではなく、

  • 「売上や利益は、どれくらいになっていたら嬉しいですか?」
  • 「どんなお客様や取引先と、お付き合いしていたいですか?」
  • 「仕事の内容や、日々の働き方は、どんな状態が理想ですか?」
  • 「どんな才能を持った人たちと一緒に働いていたいですか?」

このように、問いを具体的に分解して投げかけたのです。

「夢」という漠然としたテーマよりも、「売上」という具体的なテーマの方が、はるかに考えやすいですよね。このアプローチによって、最初は戸惑っていた参加者の皆さんも、スラスラとご自身の理想を書き出すことができるようになりました。

【実践編】あなたもできる!「夢」を具体化するカテゴリ分解法

もしあなたが、ご自身のビジョンを描くのに苦労しているなら、ぜひこの「分解思考」を試してみてください。

大きな紙とペンを用意して、まずは「夢」をいくつかの分野に分けてみるのです。例えば、ビジネスのことなら、

  • 財務:売上、利益、キャッシュフローなど
  • 顧客:顧客層、顧客との関係性、提供価値など
  • 商品・サービス:品質、ラインナップ、開発体制など
  • 組織・人材:社員数、チームの雰囲気、働きがいなど
  • 働き方:労働時間、場所、あなた自身の役割など

といった具合です。それぞれの項目について、「こうなったら最高だな」と思える状態を自由に書き出してみてください。漠然と「夢」を考えるよりも、はるかに具体的で、ワクワクする未来像が浮かび上がってくるはずです。

まとめ:大きな問いは、まず小さく分けることから始めよう

考えるときは、考えやすくしてあげる。これは、自分自身に対しても、部下や後輩に対しても、非常に重要な配慮です。

大きな問いや、漠然としたテーマで思考が止まってしまったときは、「これを、もっと具体的な小さな問いに分けるとしたら?」と自問してみてください。その小さな一歩が、これまで見えなかった、あなただけの理想の未来への扉を開く鍵となるはずです。


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将来のビジョンが描けない、また別の理由についても解説しています。合わせてご覧ください。
>>将来のビジョンが描けない人の、意外な理由


この記事を書いた専門家

中城 卓哉(なかしろ たくや)

パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ

「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。

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