よく、「ウチの上司はアタマが固くてさ」という言葉を聞きます。
たしかに、アタマの固い人というのはいて、
なかなか自分の考えを曲げなかったり、固定化された価値観で考えるので
おつきあいしにくい、という人は多いでしょう。
まして、上司と部下の関係だと、なおさらですよね。
こういう人には、どうやって対処すればいいのでしょうか?
よくある対処としては、「うまく言いくるめる」とか
「仕方ないので無視する」、「その人の言うとおりにする」
などが考えられますが、
どれを選んでも、どこかにしこりが残りますよね。
そこで、コーチング的な対処法をご紹介してみようと思います。
コーチングをしていると、アタマの固い人もいらっしゃいます。
「ああ、こうすればうまくいくのになぁ」と思っても、
頑としてそれを受け入れない。
客観的に見ると、明らかに違う方向に行っているのに、
考えを曲げようとしないんです。
ですが、コーチは上司でも部下でもありません。
クライアントに対する強制力は一切ありませんから、
無理やり言うことを聞かせることもできません。
では、どう対処するのかというと、
【相手の言うことを、全部そのまま受け入れてしまう】
のです。
その上で、突き詰めて話を聴き続けます。
以前、オランダのプロコーチで、Connieさんという方が
コーチングを見せてくれたことがあります。
Connieはアンソニー・ロビンズの公認エリートコーチといって、
とにかくすっごいコーチだったんですが、
彼女の対応が、まさに【そのまま受け入れる】でした。
ある父親が、「息子が言うことを聞かない」と言っていたのに対し、
「そう、じゃ、どうすれば言うことを聞くかしら?」と質問。
父親は「私が成功したという結果を見せつければ、言うことを聞く」
と言いました。
周りで見ていた誰もが、「いやいや、そうじゃないだろ」と思いましたが、
Connieは構わず、
「そうなのね。わかったわ。じゃ、どこまで成功すればいいの?」
という質問を返します。
父親は、じっと考えると、
「億万長者になる? それでもダメだな。日本一の金持ちとかかな?」
と、自問自答をはじめました。
Connieはそのまま、ニコニコと笑いながら見守っています。
やがて父親は、
「私がどこまで成功しても、言うことは聞かないですね(笑)」
「そもそも、言うことを聞かせようというのが間違ってました」
と、さっきまでの意見をあっさりと覆してしまったんです。
人は、「あなたが間違っているよ」と指摘されると、
自分を否定されたような気になって、「いや、間違ってない」と抵抗します。
どれだけ理屈が通っていても、「間違ってる」とは言われたくないもの。
そうなると、どんな正論も受け付けません。
これは感情の問題です。
ところが、「そうなんですね」と受け入れられてしまうと、
抵抗する理由がなくなってしまいます。
さらに、矛盾点について、追求するでもなく質問されて、
自分で突き詰めて考えると、多くの場合、
自分で自分の矛盾点や不合理に気がついてしまうのです。
そうなると、こちらが指摘するまでもなく、
自分で「この考えは違っていた」と、考えを改めてしまう。
これをやるには、コーチの側に圧倒的な柔軟性が必要です。
少しでも「アンタが間違ってる」という気持ちがあると、
相手はそれを敏感に感じ取り、抵抗しますから、
本当に「私とは違う意見だけど、この人はそう考えるんだ」と
思った上で質問しなければいけないのです。
私もConnieのコーチングを見て、自分のアタマの固さに気づき
相手を認め、受け入れることを覚えました。
柔軟性は影響力、と言う人がいます。
頭の固い人には、こちらの柔軟性で影響を与えていく。
こうすると、お互いの最適解にたどり着くことができるんです。
★売れる人材を育成するコーチングスキルのポイント
「なるほど、そうなんですね」と受け止めよう
初めてでも10分で1on1ミーティングができるツールを無料プレゼント!
- 「部下育成のために1on1がいいっていうけど、何を話せばいいの?」
- 「部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらないよ」
- 「1on1なんて、やっても時間の無駄なんじゃないの!?」
普段忙しい管理職の方には、こう思う方が多いのではないでしょうか?
- 会社で1on1をやれと言われたけど、部下と何を話していいかわからない
- 部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらない
- 流行りの1on1をやっているけど、いつも上司が一方的に話して終わってしまう
こんな問題を、1枚のシートで解決できます!