この記事のポイント
- プライドが高い人は、理屈(正しさ)よりも「感情」を優先して動く傾向があります。
- 彼らを動かすには、まず相手の「重要感(認められたいという欲求)」を満たし、こちらの話を聞く態勢を作らせることが不可欠です。
- そのための具体的なテクニックが「すごいですね!」「教えてください!」「さすがですね!」の頭文字をとった「SOSの法則」です。
- この3つの言葉を意識的に使うことで、相手の警戒心が解け、指導や指示を受け入れやすい心理状態を作り出すことができます。
「プライドの高い部下の扱い方」に悩む管理職が急増中?
弊社のブログのアクセス状況を見ていると、ある特定のキーワードで検索して来られる方が非常に多いことに気づきます。
そのキーワードとは、「プライドの高い部下 扱い方」。
かなり以前に書いたこちらの記事が、今でもコンスタントに読まれ続けているんです。それだけ、この問題に頭を悩ませている経営者や管理職の方が多い、ということなのでしょうね。
そこで今回は、改めてこのテーマについて、コーチングの視点から、即効性のある具体的なアプローチをご紹介しようと思います。
▼同じテーマでYouTube動画も公開しています
たいして仕事できないのにプライドばっかり高い! ・・・そんな部下の扱い方
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なぜ「正論」だけでは動かないのか?鍵は「感情」にあり
部下に限らず、プライドの高い人を動かそうとするとき、最も重要なポイントは「感情」です。
考えてみてください。プライドが高い、ということは、「負けること」「自分の間違いを認めること」「誰かに従うこと」を、感情が猛烈に嫌がるわけじゃないですか。
たとえ上司の言うことが100%正しくても、彼らの感情が「NO」と言えば、決して「はい、その通りでした」とはなりません。これこそが、彼らが「めんどくさい」と言われてしまう理由なのですが、この人間心理を無視しては、いつまでたっても関係は平行線のままです。
上司としては、「正しいことを教えるのが仕事だ」「いちいちおだててご機嫌を取るなんて真っ平だ」と思われることでしょう。その気持ちはよく分かります。ですが、そもそも相手が聞く耳を持たなければ、どんなに正しい指導も意味がありませんよね。
まるで「北風と太陽」の話のように、まずは相手の頑ななコートを脱がせる、つまり相手の感情を上手に扱って「聞く姿勢」を作ることが、回り道のようでいて、実は最も早く相手を動かす近道なのです。
【悪用厳禁?】相手の心を開く魔法の言葉「SOSの法則」
では、具体的にどう「感情」を扱えばいいのか。今日は、私が独立したての頃に、ある敏腕営業マンの方から教わった、とっておきの方法をお伝えします。
「中城くん、この3つを口癖にしておけば、人間関係はだいたいうまくいくよ」と言われて半信半半疑で使い始めたのですが、今でもその効果を実感し続けている、非常にパワフルな方法です。
その名も、「人生がうまくいく“SOS”」。
この3つの言葉の頭文字をとったものです。
- S:すごいですね!
- O:教えてください!
- S:さすがですね!
なんだか、夜のお店の「さしすせそ」みたいで、ちょっと気恥ずかしいですかね?(笑)
ですが、この3つの言葉には、人の心を動かす強力な力が秘められています。
なぜ「SOSの法則」は効果的なのか?
これらの言葉はすべて、人間の根源的な欲求の一つである「重要感(自分は重要な存在だと感じたい)」を満たす働きをします。人は誰でも、自分を認め、高く評価してくれる人に対して好感を持ち、心を開きやすいものなのです。
プライドが高い部下も、その裏返しで「認められたい」という欲求が人一倍強いケースがほとんどです。
ですから、何かを指導したり、指示したりする前に、まずはこちらから「SOS」の言葉を使って相手を承認し、心の警戒心を解いてあげる。そうやって、こちらの言葉を受け入れやすい心理的な土壌を先に作っておくことが、非常に有効なのです。
まとめ:承認の言葉は、最強の投資である
相手を認める、承認の言葉をかける、ということには、何のコストもかかりません。
「〇〇の資料、すごく分かりやすいね。すごいな!」
「この部分は、どういう意図でやったの?教えてほしいんだけど」
「なるほど、そういう視点はなかったな。さすがだね!」
こんなふうに声をかけるだけで、部下との関係性が改善し、こちらの指示や指導がスムーズに通るようになるのなら、試してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。
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この記事を書いた専門家
中城 卓哉(なかしろ たくや)
パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ
「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。
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