★年上の頑固な部下に行動を変えてもらう方法
最近は社員の年齢構成も変わり、年功序列にも変化があるので
上司の方が若いとか、年配の部下を抱えることも増えましたね。
この動きは今後も変わらず、大企業も中小企業も
「上司より年上の部下をマネジメントする」
という状況は増えることが予想されます。
そのこと自体は別に大きな問題ではないのですが、
ときどき
「年上の部下だと指示するときに気を遣う」
「年下の上司から何か言われるとイラッとくる」
のような問題を聞くことがあります。
かつては年上の上司に年下の部下だったので
わりと上下関係がはっきりしていたんですが、
年齢と役割が逆転するとそういう問題が起こりやすいんですよね。
先日の日立製作所さんの研修でも、こういう話がありました。
秘密保持のため詳細は伏せますが、
「年上の部下が頭が固く、新しいものを取り入れてくれない」
「古いやり方を変えてほしいが、言うと機嫌を損ねてしまう」
というような管理職の悩みです。
これだけの大手企業でもそういう問題が起こるわけですから、
どこの会社でも起こりえると思われます。
このとき私の方からお伝えしたのは、要約すると
『その頭の固い年配の部下を認め、受け入れ、承認する』
ということでした。
「○○さん、そのやり方をずっと続けてこられたんですよね」
「○○さんの経験から学ばせていただきます」
「○○さんがいてくれると安心感があります」
みたいな感じですかね。
「なんだ、ゴマをすってご機嫌を取れってことか」と思うかもしれませんが、
そういう理由ではなく、ちゃんと意味があります。
「認め、受け入れ、承認する」ことで、相手の心理に働きかけ
態度を軟化するのに役立つから、こうするんです。
若い人はそこまででもないのですが、ベテランの社員ほど
今までの仕事人生で積み重ねてきたものが大きいです。
3年目の人は3年の蓄積ですが、
20年目の人は20年の蓄積です。
そして、その蓄積が大きければ大きいほど、
「職業人としての自分」の中で大きなパートを占めるようになります。
その、「職業人としての自分」の大部分を占める経験を
「もう古いのでやめてください」
「今の時代に合わないので新しいものにしてください」
と言われると、
「自分の職業人生が否定された」
と感じることがあるわけです。
そして、ベテランほど「職業人生」がそのまま「人生そのもの」に
結びつきやすい、ということもあり、
ベテランの方の経験や蓄積を否定することは
その人の人生を否定したように捉えられる可能性が高いです。
さて、自分より経験が少ない、
なんならこの間まで自分の部下だったような若い上司から
自分の職業人生を否定される(と受け取れる)ことを言われたら、
それを素直に受け入れることができるでしょうか?
もちろん、「そうだね」と受け入れる人も多くいますが、
感情的になかなか受け入れがたい人の方がもっと多いでしょう。
そして、人は頭で「受け入れるべきだ」とわかっていても、
感情が「受け入れたくない」と思ったら
感情が勝って「受け入れない」という選択をします。
これが、「頭の固い年配の部下」の正体です。
そこで、
「あなたという人を肯定していますよ」
「あなたの人格に敬意を持っていますよ」
という姿勢を示す必要があるわけです。
「私は【あなたという人は尊重している。】
ただ、仕事のやり方は変えてほしい」
という姿勢を、きちんと伝えることです。
その「伝え方」が、「認め、受け入れ、承認する」ことなんです。
自分の過去が否定されるわけではない。
自分の仕事人生が否定されるわけではない。
この安心感があれば、心に余裕が生まれます。
余裕があれば、新しいものを受け入れる余地も出てきます。
年上でもベテランでも、やはり人間です。
私たちと同じように、心や感情があります。
新しいやり方を受け入れる方が「正しい」のはもちろんなのですが、
そんなに簡単に「正しい」ことばかりできないのが人間です。
先輩の心情に少し配慮することができると、
相手の反応が少しずつ、軟化してくれるかもしれません。
試してみてくださいね。
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