昨日のコーチング講座中に、皆さんにコーチングをお見せしたんです。
百聞は一見にしかずといいますし、あれこれ学ぶより
実際にやっているところを見たほうがイメージがしやすいですからね。
で、受講生から2名ほどクライアントを募りまして、
打ち合わせなしのライブコーチング。
そのうちの一人の方が、おもしろい経営の悩みを抱えていたので
守秘義務に配慮しつつ、細部をちょっと変えてご紹介します。
さて、経営者のMさん。
スタッフ8名ほどのサービス業を経営しています。
(守秘義務があって、詳細は書けません。ごめんなさい)
相談内容は、
「腰掛け程度としか考えていないパート社員ばかりで、
プロ意識を持って仕事をしてくれない」
という問題でした。
実際、スタッフは全員パートさんで、正社員は雇っていません。
「会社の財務に余裕が出たら雇いたいけど、
パートさんにやる気がなくて売上を伸ばせない。
売上を伸ばすためにはやる気のある正社員が必要」
という、卵が先か鶏が先かみたいな状況なんだそうで。
このMさん、あれこれ突っ込みどころが満載で、
事あるごとに「それって、本当に?」と質問していたんですが、
Mさんの中では、それが強固に「正しい」ことだったので、
しばらく黙って聞いていたんですね。
すると、その中でMさんが何回か口にした言葉が気になりました。
「この仕事に使命感を感じてやれとは言いません。
せめて、自分を磨くため、くらいの考えを持っていてほしい」
「でも、自己成長すら考えていないで、お金のためとか、
余裕がほしいからとか、そういう理由で働いている人ばかりなんです」
私は、この言葉を聞いて、Mさんの会社のスタッフが
やる気が出てこない理由がわかりました。
Mさんは、「使命感を感じてやる仕事が一番上」
「自分を磨くための仕事は、それよりも劣っている」
「お金のためや余裕がほしいための仕事は、もっとレベルが低い」
という、「仕事観への序列」を持っていたんです。
これは「せめて」「すら」という言葉から推測できるんですが、
「序列を付けてませんか?」と聞くと、「そうかもしれない」
と答えてくれたので、実際そうだったようです。
よく、「ライスワーク(食べていくための仕事)よりライフワーク」
なんて言われていますし、たしかに使命感を持っていたほうが
より強いモチベーションで働くことができます。
仕事の質も高まっていくのは、否定しません。
社長は特に、そのような使命感を持っていないと務まりませんし、
それがあるからこそ、高い基準で仕事ができるわけです。
ですが、その序列をもって、社員を劣っていると見下してしまうと、
社員は敏感にそれを感じます。
Mさん自身も、「社員の姿勢が、お客さんに伝わるんです」と
言っていたので、社長の姿勢が社員に伝わるというのも
すぐに実感できたようでした。
「所詮パートなんて、お金のためにしか仕事していない」
という思いでパート社員に接していると、
パート社員たちは「社長に見下されている」「認められていない」
と感じます。
認めてくれない、見下してくる社長のために、
どうして一生懸命に働けるでしょうか?
「所詮腰掛けのパート」とみなしてくる社長の理念に
どうして共感して一緒に取り組めるでしょうか?
Mさんには、コーチングのセオリーを少し離れて、
私の個人的な意見を伝えました。
「たしかに私は、序列を付けて見下していたかもしれません」
と、私の意見を受け入れてくれたMさんは、
そこから自分でその「序列」という考え方を変え、
社員と対等という考え方に変えてしまいました。
ここから、Mさんの会社がどう変わっていくのか、
今からちょっと楽しみにしています。
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