最近よく聞く上司・経営者の悩みに
「部下がすぐに『それ、意味あるんですか?』と口答えしてくる」
というものがあります。
意味があるからやるんだよ、
つべこべ言わずにまずやれよ、
能書きたれてないでとにかく手を動かせよ、
…と言いたくなることもあるんじゃないでしょうか?
私がコーチングを教えていたときも、
「こういう練習をしてみましょう」と教えると
「そんなことをやって、意味があるんですか?」
なんて言う生徒さんがいたこともあります。
(最近はそんな人は生徒にしませんが)
教える側は意味があって伝えているんだけど、
その意味というのは実戦や経験をしないとわからないものなので、
教わる側からすると意味がわからない、
ということも多いですよね。
なので、「いいからやれよ」という上司の意見が正しいこともあるんですが、
反面、部下の「意味あるんですか?」が正しいというか、
それを言われたときに指導する側が省みる必要がある場合もあります。
●人は意義を理解しないとやる気になれない
いろいろな人がいますので、
「言われたんだから何も考えずに愚直に実行する」
という人もいますが、
多くの場合、
「自分がやることの意義をわかった上で行動したい」
という心理が働きます。
「意味あるんですか?」と聞く人は
「自分がこの行動を取ることの意義を理解できない」
「自分がやる仕事に、本当に価値があるのかを納得できていない」
という状態なんです。
そして、意義をわかっていない状態で取る行動は
「言われたから仕方なくやる行動」
「やらないと不都合がある(叱られる、評価が下がる)からやる行動」
となり、
このような「ネガティブを避ける行動」というのは
モチベーションとしては弱いので、生産性も上がりにくいです。
ですから、部下やパートナーなど、他の人にものを頼むときは、
「なんとなくでも、その人がやることに納得感がある」
「やることに対して、正確でなくても意味を感じられる」
状態にするのは、必要なことではあるのです。
それを、
「いいから言われたようにやれ」
「能書きはいいから手を動かせ」
のように頭ごなしに問答無用でやらせてしまうというのは、
仕事をやる方にもやらせる方にも、もったいないことです。
●意義なんてやってみないとわからないじゃん?
ただ、この「仕事の意義」に関しては
「実際にやった経験がないと腑に落ちない」とか
「論理的な裏付けはないけど経験的に重要である」とか
簡単に「こういう意味がある」と言えない場合も多いですよね。
そういう場合は、どうしたらいいんでしょうか?
これは簡単な問題ではないのですが、
一つやれる方法があるとするなら、
「腑に落ちないかもしれないけど、意義を説明する」
というところかと思います。
やることの意味や意義について、何の説明もなくて「やれ」と言われるのと
一応、納得できないにしても説明があって「やれ」と言われるのでは、
やはり後者の方が部下としては受け入れやすくなります。
「意味があるかどうかわからないし、説明もない」のと
「納得はできないけど、それなりの意味がある」のでは
受け入れやすさが違うからです。
それでも、相手が納得するような説明をするのが難しい場合は、
「言葉で説明するのは難しいんだけど、経験上この方がいいから」とか
「経験がないうちは腑に落ちないかもしれないけど」とか
相手の状態に理解を示す言葉を前に置くと、
受け入れやすくなるかもしれません。
いずれにしても、人に動いてもらうときには
できるだけ、相手が納得して腹落ちするような説明が必要だし、
納得できないまでも、説明する姿勢だけでも示しておくことが
相手の協力的な姿勢を引き出すことにつながります。
特に最近の若い人は、無駄なことを嫌う傾向があるので、
「無駄なことをさせているわけじゃないんだ」と
ある種の安心感を与えることが重要になってくるんです。
初めてでも10分で1on1ミーティングができるツールを無料プレゼント!
- 「部下育成のために1on1がいいっていうけど、何を話せばいいの?」
- 「部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらないよ」
- 「1on1なんて、やっても時間の無駄なんじゃないの!?」
普段忙しい管理職の方には、こう思う方が多いのではないでしょうか?
- 会社で1on1をやれと言われたけど、部下と何を話していいかわからない
- 部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらない
- 流行りの1on1をやっているけど、いつも上司が一方的に話して終わってしまう
こんな問題を、1枚のシートで解決できます!