人材育成×コーチング マネジメント×コーチング 能力開発×コーチング

社員のやる気を出す、2つの「目標」の使い方

【やらされ感からの脱却】部下が自ら動きたくなる目標設定、2つの鉄則

この記事のポイント

  • 上司から一方的に与えられた目標は、社員にとって単なる「ノルマ」となり、「やらされ感」を生む最大の原因になります。
  • 社員の主体性を引き出すには、「目標設定のプロセスに、本人が関わった」という当事者意識を持たせることが不可欠です。
  • さらに、「その目標を達成した先に、自分自身の幸福が待っている」と具体的に感じられるかどうかが、モチベーションを大きく左右します。
  • 上司の役割は、会社の目標と個人の幸福を結びつけ、「これは自分のための目標だ」と部下に感じさせる“翻訳家”になることです。

その「目標」、ただの「ノルマ」になっていませんか?

ほとんどの会社には、単年度や四半期、月次といった「目標」が存在しますよね。そして、その組織全体の目標を、部署ごと、個人ごとへと落とし込んでいくのが、一般的なマネジメントの手法だと思います。

どこを目指すかを明確にするために、目標設定そのものは非常に重要です。しかし、そのやり方を一歩間違えると、本来は社員を導くはずの「目標」が、彼らのやる気を著しく削ぐ、ただの重苦しい「ノルマ」へと変貌してしまうのです。

実は、「これが君の目標だ」と、ただ目標を与えるだけでは、かえって社員のパフォーマンスを下げてしまう、ということがよく起こります。

なぜ「やらされ感」が生まれるのか?部下の本音

「うちの社員は、どうも“やらされ感”で仕事をしていて…」

管理職の方から、こうしたご相談を受けることは非常に多いです。そして、その詳細を伺っていくと、ほとんどのケースで共通点が見えてきます。それは、社員本人が知らないところで、会社や上司が目標を一方的に決め、「はい、これが君の目標です」と“与えて”いる、という事実です。

考えてみれば、当然ですよね。自分の知らないところで勝手に決められた目標など、社員からすれば「会社から押し付けられたノルマ」以外の何物でもありません。そこに、主体性や高いモチベーションが生まれるはずもないのです。

部下が自ら動きたくなる目標設定、2つの鉄則

では、どうすれば「ノルマ」を、部下が自ら達成したくなる「目標」へと昇華させることができるのでしょうか。今日は、そのための2つの重要な鉄則をご紹介します。

鉄則①:目標設定のプロセスに「本人」を巻き込む

まず、目標を設定するプロセスの中に、部分的にでも本人を関わらせ、「これは自分が決めた目標だ」という実感を持たせることが不可欠です。

例えば、部署の目標を各社員に割り振る際に、一方的に通達するのではなく、

「会社としてはこれくらいを目指していて、君にはこの部分を任せたいと思っている。君としては、どう思う?できそうかな?」
「部署の目標はこうなっているんだけど、この中で君が特に貢献できそうなのは、どの部分だと思う?」

といったように、一緒に目標を決めていく、というスタンスを取るのです。

「そんなことをしたら、低い目標しか設定せず、全体の目標が達成できなくなるのでは?」という心配もあるかもしれません。しかし、高い目標を掲げたところで、やらされ感で手を抜かれてしまっては、結果は同じです。それならば、たとえ少し低い目標になったとしても、本人が主体的に関われる方が、長期的には遥かに大きな成果を生み出します。

鉄則②:目標達成と「本人の幸福」を結びつける

人は何のために仕事をするのかといえば、突き詰めると「自分自身の幸福のため」です。

その「幸福」の形は、生活の安定かもしれませんし、新しい経験による成長かもしれません。あるいは、誰かに認められることや、社会の役に立つことかもしれません。いずれにせよ、人は最終的に、自分の幸福感に繋がると信じられるからこそ、頑張れるのです。

ですから、上司が部下に目標について話すときには、必ず、

「この目標を達成したら、君にとって、どんないいことがあるのか」
「この目標は、君自身の成長や未来にとって、どんな意味を持つのか」

ということを、セットで伝えてあげる必要があります。

このプロセスを抜きにして、「会社のためだからやれ」と目標を押し付けても、部下にとっては「他人の幸福のためにやらされる仕事」になってしまい、やらされ感が生まれるのは当然なのです。

まとめ:上司の役割は「目標の翻訳家」である

もちろん、優秀な部下の中には、上司が何もしなくても、自分で会社の目標と自分の幸福を結びつけ、勝手にやる気を出してくれる人もいます。しかし、そういう人材は非常に稀ですし、どの会社も欲しがる貴重な存在です。

私たち上司の本当の役割は、会社が掲げる大きな目標を、部下一人ひとりの個人的な幸福や成長の物語へと「翻訳」してあげることなのかもしれません。

その目標は、部下にとって「自分自身の物語」になっていますか?一度、その視点から、あなたのチームの目標設定を見直してみてはいかがでしょうか。


この記事を書いた専門家

中城 卓哉(なかしろ たくや)

パワーコーチ株式会社 代表取締役
経営者・管理職専門のビジネスコーチ

「私たちは夢を叶える会社です」を経営理念に、経営者や管理職が抱える「人の問題」に特化したコーチングを提供。科学的な理論と豊富な現場経験に基づき、幹部育成、チームビルディング、組織のビジョン設定などをサポート。クライアントが本来持つ能力を最大限に引き出し、ビジョンの実現に貢献することをミッションとする。「在り方」と「やり方」の両立を重視し、小手先のテクニックではない、本質的なリーダーシップ開発に定評がある。

部下との関係構築や育成方法にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


初めてでも10分で1on1ミーティングができるツールを無料プレゼント!

  • 「部下育成のために1on1がいいっていうけど、何を話せばいいの?」
  • 「部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらないよ」
  • 「1on1なんて、やっても時間の無駄なんじゃないの!?」

普段忙しい管理職の方には、こう思う方が多いのではないでしょうか?

  • 会社で1on1をやれと言われたけど、部下と何を話していいかわからない
  • 部下と面談しても話が盛り上がらないし、部下の行動も変わらない
  • 流行りの1on1をやっているけど、いつも上司が一方的に話して終わってしまう

こんな問題を、1枚のシートで解決できます!

>> 詳しくはこちらをご覧ください

-人材育成×コーチング, マネジメント×コーチング, 能力開発×コーチング

© 2025 眠っている能力を目覚めさせて、望む結果を創り出す パワーコーチ株式会社