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部下が主体性を持つようになるコーチングスキル3選

「部下が主体性を持って仕事をしてくれず、他人事になっている」
「教えるより自分でやったほうが早いのに、それではダメだと言われる」
「部下が受け身・指示待ちなので、いちいち全部指示するのが面倒

・・・という悩みにお答えします!

 

本記事の内容

  1. 部下が主体性を持つようになるコーチングスキル3選
  2. 「自分でやったほうが早い」という人の大きな勘違い

 

この記事を書いた人

中城卓哉(なかしろ たくや)

独立してからの14年間で、8,183名以上の方のメンタル改善に貢献してきました。
市長、県議会議員、経営者、メガバンクや大手自動車メーカー社員から、
鬱の人やカルト宗教の元信者まで、幅広いクライアントの支援実績があります。

講師としては、東京商工会議所、武蔵野商工会議所、調布市、川西市、
The Associaton for Talent Development(ATD)、日経BP社、
マセラティ・ジャパン株式会社、ノボ・ノルディスクファーマ株式会社、
エドワーズ・ライフサイエンス株式会社、
ゾエティス・ジャパン株式会社、株式会社fitfit、西武信用金庫、
上智大学、千葉大学、大妻女子大学、城北学園中学・高等学校 など、
多くの企業・団体・学校で講師を務めてまいりました。

マセラティ・ジャパン様
大妻女子大学様
東京商工会議所様

 

部下が主体性を持つようになるコーチングスキル3選

1)仕事を自分ごとにさせる「アソシエイト」

上司や経営者にとっては、仕事は自分ごとだし、やるべきものです。

ですが、部下にとっては、まだ仕事は自分ごとにはなっておらず
仕事を頑張っても、自分には特にメリットがないと思っていたりします。

 

人は、最終的には自分の幸福のために行動します。

どれだけ仕事を頑張っても、自分の幸福につながらないのなら
そもそも仕事を真面目にやる意味がない
そう考えるわけです。

ですから、「仕事を頑張ったら、自分の幸福につながる」
という実感を持ってもらう必要があるわけです。

そのための技術が「アソシエイト」です。

 

どうやって使うの?

アソシエイトは、大きく2ステップで行います。

 

ステップ1:部下にとっての幸福を知る

部下が求めているものや大切にしているもの、将来の夢などを聞きます。
これは仕事に直接関係なくてもOKです。

部下はどんなときに幸福を感じるのか、
将来どうなったら幸福だと思っているのか、
こういうことを理解します。

家族が大切、いい車に乗りたい、いずれは起業したい、など、
気持ちが前向きになるもの・ことが何かを聞いてあげます。

 

ステップ2:1と仕事を関連付ける

仕事に取り組むことと、自分の幸福がつながっていたら、
部下は「自分の幸福のために」仕事に取り組むことになります。

 

たとえば、過去のクライアントさんの例だと、

Rさんは
娘に好きなことを思いっきりやらせてあげたい
という欲求がありました。

それを仕事と結びつけて、
「娘がどんな習いごとをしたいと言ってもさせてあげられるくらい
たくさんお金を稼ぐ。そのために仕事をする」
としたところ、仕事への取り組みが変わり、
その後2倍の売上をあげられるようになりました。

 

結びつけるところは少し難しいのですが、
「この人が仕事を頑張ったら、なぜ幸福になれるのか?」
という視点で考えるといいでしょう。

 

2)仕事に意義を感じさせる「リフレーミング」

物事の「捉え方」を変えることで、仕事に対する感情を変え、
自分から行動できるように促す技術です。

 

たとえば「電話でアポイントを取る」仕事を、
「やらされてる仕事」「迷惑な電話を掛ける仕事」
と思っていたら、できるだけやりたくないと思いますが、

新しい人に出会える仕事」「困っている人を助ける仕事」
と思うことができたら、前向きに取り組むことができます。

このように、仕事への捉え方を変えるのが「リフレーミング」です。

 

どうやって使うの?

慣れるまで少し難しいのですが、
2ステップを意識してみるといいでしょう。

 

>ステップ1:部下の「捉え方」を理解する

まず、「わからないものは変えられない」ので、
部下の仕事の捉え方を聞く必要があります。

「仕事について、どう思ってる?」
「この仕事、あまり好きじゃないように見えるけど、どう思う?」
「あなたにとって、この仕事はどういう意味があると思う?」

のような質問になるでしょうか。

 

対等な関係でのコーチングではわりと答えてくれやすいのですが、
上司・部下の関係では、すぐに答えてくれないかもしれません。

その場合は、「答えやすい関係性」を作る必要があるので、
こちらの記事を参考にしてください。

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部下が仕事についてどう捉えているかがわかったら、
「そうか、そう思ってるんだね」と、
一度否定せず受け止めてあげましょう。

「でも…」といきなり否定したり考えを変えさせようとする
部下も抵抗しますので、逆効果になります。

 

部下の捉え方を理解し、受け止められたら、
次のステップに進みます。

 

>ステップ2:新しい捉え方を提案する

部下が仕事を「つまらない」「やりたくない」と捉えているのは
それ以外の捉え方を知らないからです。

 

ですから、上司の方から新しい捉え方を提案して
前向きに考えられるように補助する必要があります。

「営業は迷惑な仕事だ」と捉えている部下に対して、
「営業は人助けだ」のような捉え方を教えてあげる、ということです。

 

これを伝えるときは、「理由」とセットで伝えます。

「営業って、人助けだとも考えられるんじゃない?
なぜなら、困っている人にとっては、その解決策として
うちの商品を教えてあげるってことなんだから」

という感じでしょうか。

 

注意するポイントは?

「意見の押しつけ」にならないように気をつけましょう。

 

「営業は人助けなんだぞ、わかったか?」
と、上司の意見が正解であるかのように伝えると、
部下はただの説教としか思いません。

あくまで「新しい選択肢を示してあげる」ことにとどめ
それを受け入れるかどうかは部下、ということを
忘れないでおきましょう。

 

3)部下の脳のスイッチをオンにする「質問」

上司が「指示・命令」ではなく「質問」をすることで
部下がその問題について自分の頭で考えるように促す
という技術です。

自分で考えて出した答えは、他人に言われたことよりも
より自分ごととして取り組みやすくなります。

コーチングの基本であり、もっとも大切な技術になります。

 

どうやって使うの?

部下の成長の段階によって使い方は変わりますが、
基本的には
「あなたはどうしようと思っている?」
という質問が有効です。

人間の脳は、「質問されると答えを考える」という性質があります。
なので、上司が質問することで、部下の脳のスイッチをオンにするのです。

 

ただ、最近の若い社員は「わかりません」と言って
考えるのを放棄することも多いので、

そういう場合は答えやすい質問に切り替えるといいです。

 

たとえば、来週の営業先へのプレゼンについて考えさせるなら、
「あなたはどうしようと思っている?」よりも
「プレゼンでいい結果になるために準備できることは何だろう?」
のように、質問を具体的にしたほうが答えやすくなります。

もっと答えやすくするなら、
「価格と機能だったら、どちらをアピールしたほうがいいかな?」
のように、AかBかで答えられるような質問にするといいでしょう。

 

注意するポイントは?

部下が自分で考えた答えは、否定しないことです。

 

せっかく自分の意見を答えたのに、
「それじゃダメだ」「〇〇について考えてないじゃないか」
のように否定したら、

「じゃ、最初から上司が指示しろよ」
となってしまい、次から自分で考えなくなります。

 

「よし、じゃ、それでやってみて」と、部下の答えを受け入れつつ、
「〇〇についても考えておいてくれるかな?」のように
部下が見落としているポイントをフォローしてあげるのが良いと思われます。

 

もっと詳しくは、こちら

こちらでご紹介したスキル(技術)の他にも、部下育成にすぐに使える
コーチングのやり方を解説した本を出しています。

「もっと知りたい」という方は、こちらからお求めください。

 

「自分でやったほうが早い」という人の大きな勘違い

部下の主体性がない、という悩みを持つ方は、
同時に

「主体性を持たせるために頑張るより
自分でやってしまったほうが早い」
と思うことが多いようです。

 

実際、上司の立場になるくらいですから、
能力も高いですし、知識や経験も豊富です。

なので、部下に指示してやらせるより、自分でやったほうが
あれこれ気を遣うこともなく、楽に早くできる。

そう思うのは無理もありません。

 

ですが、そのような優秀な方が思う
「自分でやったほうが早い」という考えは
実は大きな勘違いなんです。

 

というのも、あなたが上司になった瞬間から、
あなたの仕事は「作業者」ではなくなっているからです。

部下を持ったら、「作業者」から「育成者」
考え方を変えていく必要があるんです。

 

上司の仕事は、「業務をすすめる・終わらせる」ことではなく、
「部下の能力を高め、業務を進められる人を育てる」ことです。

なぜなら、上司が部下を育てないと、
上司一人で出せる成果で頭打ちになってしまうから。

 

たとえば、あなたが月に1億円を売れる営業力がある上司で、
部下が5人いるとします。

「自分が売ったほうが早い」と、自分が頑張って営業して、
部下をあまり育てなかったとすると、
【上司の売上1億円 + 部下の売上1000万円 × 5 = 1億5000万円】
となります。

これが、部下をきちんと育てて、上司の半分を売れるようになった。
その代わり、上司のあなたはあまり売上を上げられなかった、という場合、
【上司の売上1000万円 + 部下の売上5000万円 × 5 = 2億6000万円】
となりますね。

 

これはあくまで単純化した例ではありますが、
重要なのは「チームの力で大きな成果を出す」こと。

そのために部下を育成するのが大切だというのは、
わかっていただけるのではないかと思います。

 

「そうは言っても、育てるのには時間がかかるし、
今現在も忙しくてそれどころじゃないんだ」
と思う方もいると思います。

どこの組織も、基本的に上司が一番忙しいんですよね。
「育てる暇がない」というのは、そのとおりだと思います。

 

ですが、それで人を育てなければ、いつまでも仕事を任せる先がなくて、
上司がプレイングマネージャーでい続けなければなりません。
いつまでも状況が変わらないのです。

そうではなく、「だからこそ、育てる」と考えましょう。

 

部下の育成に自分の意識を向ける質問

自分に、次の質問を質問してみましょう。

1人の部下を想定して、
「〇〇さんが今より1歩成長するために、私はどんな手助けができるだろうか?

これは、部下を成長させることに意識を変える質問です。

 

しばらくは自分がやらないといけないかもしれません。
ですが、1日1つずつでも、部下を成長させる行動を取っていきましょう。

長い目で見ると、そのほうが大きな成果をあげることができるんです。


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